※この記事は,ビッグバン以前に書かれた記事です.ビッグバン後に通用する場合は十分ご注意ください※
「ひびきの回避率の式」をみつけてから,当初の予定が大幅に狂ってしまいました.
この記事は,いったいどこへ向かおうとしているのでしょうか.書いてる本人も不安を覚えつつも話は進みます.
さて.
今回は,実回避率を正解に算出するには,どれくらいの回数の接触実験が必要なのか,ということを調べてみます.統計処理をかじったことのある人には,
あの式ですよ
と言うだけで,たった六文字で完結してしまう話ですが,中高生も多いメイプルストーリーですから理論と数式で説明するよりも,具体的にシミュレーションを通して説明するのが分かりやすいと思います.
「あの式」を知ってる人は,どうぞ読み飛ばして下さい.あなたの知らないことは何一つでてきません.
で.
「ひびきの実回避率」が正しいものとして,実回避率が50%になる条件で100回の接触実験を行ったとします.当然,MISSの回数が50回という結果になることが期待されます.まあ,現実の問題としてぴったり50にはならないでしょうが,50%に近い結果になるはずです.
本当にそうでしょうか?
ぴったり50回という結果はあり得ないのでしょうか?50回になる可能性が一番高いはずじゃないですか?
50回に近い結果とはどの範囲までなのでしょうか?48回という結果は,50回に近いですか,遠いですか?43回ならどうですか?
その疑問に答える為に,簡単なプログラムを書いて実験してみました.
- 0~1の範囲で乱数を発生させて,実回避率の50%に相当する0.5よりも小さい数がでたら,MISS(回避)とする.
- これを100回繰り返して,全部で何回MISSがあったかを数えて実際に回避した回避率を計算する.
たったこれだけです.入門プログラミング教室の初日の演習問題レベルでしょうかね.1番の処理は,ゲームのプログラムがしている接触判定と同じと考えられます.2番の処理は,メモを片手に接触実験をしているプレイヤーがしていることと,(本質的に)同じことです.で,Aさんが100回の接触実験をしたとして,プログラムを実行させます.
結果発表!MISSは46回でした.
実際のところ,これだけではほとんど何も言えません.実際に100回の接触実験をするには,データ整理を含めて数分の時間と,そこそこの回復薬を消費してしまいますが,ありがたいことに,コンピュータのプログラムですると,一瞬で終わります(プログラムを書く時間は除く).そこで,今度はBさんが100回の接触実験をしたとして,もう一回プログラムを実行させます.
今度はMISSが64回でした.
だから何?って感じですよね.そこで,100,000人の人が協力して,それぞれ100回の接触実験をやったものとして,プログラムを100,000回実行させてみます.さすがにこの量だと一瞬では終わりません.それでも,たいした時間はかかりません.冷蔵庫に行って牛乳飲んでコップ洗って戻ると終わってますので,たかがしれた時間です.
その結果を表にまとめました.が,先に表の見方を説明します.
MISSの回数 | 人数(人) | 割合(%) | |
49~51 | 15,891 | 15.9 | **************** |
これは,100回の接触実験の結果,「MISSの回数が49回以上51回未満」だった人の人数が15,891人であり,その数は全体の15.9%だということを示しています.一番右の*は簡易グラフで,1%につき*を一つつけました.
では,100,000人の協力で得られた結果を見てみましょう.
MISSの回数 | 人数(人) | 割合(%) | |
25未満 | 0 | 0 | |
25~27 | 0 | 0 | |
27~29 | 1 | 0.1未満 | |
29~31 | 3 | 0.1未満 | |
31~33 | 13 | 0.1未満 | |
33~35 | 58 | 0.1未満 | |
35~37 | 240 | 0.2 | |
37~39 | 708 | 0.7 | * |
39~41 | 1,848 | 1.8 | ** |
41~43 | 3,900 | 3.9 | **** |
43~45 | 6,911 | 6.9 | ******* |
45~47 | 10,687 | 10.7 | *********** |
47~49 | 13,827 | 13.2 | ************* |
49~51 | 15,891 | 15.9 | **************** |
51~53 | 15,202 | 15.2 | *************** |
53~55 | 12,180 | 12.2 | ************ |
55~57 | 11,908 | 11.9 | ************ |
57~59 | 2,218 | 2.2 | ** |
59~61 | 2,577 | 2.6 | *** |
61~63 | 1,233 | 1.2 | * |
63~65 | 414 | 0.4 | |
65~67 | 133 | 0.1 | |
67~69 | 38 | 0.1未満 | |
69~71 | 10 | 0.1未満 | |
71~73 | 0 | 0 | |
73~75 | 0 | 0 | |
75以上 | 0 | 0 |
まあ,皆さん予想した通りだと思いますが,MISSの回数が50回前後=実回避率50%という結果になった人が,全体の中で一番多いという結果になりました.
この結果についての分析は,次回以降にします.
回避賊シリーズ
- 回避率 (番外編) 2010年1月23日
- LUK賊は回避賊たるべし(1) 2010年2月19日
- LUK賊は回避賊たるべし(1.5) 2010年2月22日
- LUK賊は回避賊たるべし(2) 2010年2月25日
- LUK賊は回避賊たるべし(3) 2010年2月25日
- LUK賊は回避賊たるべし(4) 2010年3月3日
- LUK賊は回避賊たるべし(4.1) 2010年3月5日
- LUK賊は回避賊たるべし(5) 2010年3月6日
- LUK賊は回避賊たるべし(6) 2010年3月10日 ※
- LUK賊は回避賊たるべし(7) 2010年3月10日
- LUK賊は回避賊たるべし(8) 2010年10月15日
コメントを書く:匿名のコメントも歓迎しますが,名前欄が空欄だと自動的に承認待ちになってしまいます.名前欄には,なるべく文字を入れて下さい.