正直って結局、自己中心的なんだよね


感情の取り扱い事例
【僕は嘘をつきたくないんです】

「自分がこんな我慢ができるなんて想像もしませんでした。」
そう語った受講生は恋をしていた。

普段なら、絶対に許せないことを彼女になら許せる自分に驚きを隠せない様子だ。

セルフのB(自己概念)が緩むと、新しいパートナーが現れることはよくある。
ただ、少し普通のケースと違うのは
この受講生は彼女の存在を妻にオープンにしていたところだ。
オープンというより、わざわざ隠そうとしなかったと書いた方が正しい。

もちろん、
隠せばいい、わからなければいいということではない。
だからって、隠さなければいい、堂々としていればいいということもでないはずだ。

それに、妻との間にできた子ども達の「父」はずっと続けたいと受講生は望んでいたし、
いや、もっと積極的に「良い父」でありたいとさえ思っている。
なら尚のこと、隠そうとしてほしい。
この場合は、隠そうとすることが妻や子どもたちへの愛にならないだろうか。

受講生は言った。
「僕は自分にも他の人にも誰にも嘘はつきたくなんです。」

聞こえはいい。
真っ当に生きようとしているようにさえ感じるかもしれない。
ただ、リアリティに欠ける。それは自己中だよ。嘘をつく罰を逃れようとしているじゃん。
自分が正直にいたいからって、他者を傷つけていいということにはならない。
作法がある

浮気ではなくて本気だ。妻や子どもたちと別れるつもりだ。
ならまだいい。
しかし、そうだとしてもステップがあるものだ。


そんな矢先、彼女から結婚を迫られた。
子どもの父親をやり続けるつもりなこと、だから結婚はできないことを伝えると
その関係はあっさり終わった。彼女は彼から去ったのだ。

「僕は深く傷ついています。」
受講生は耐えきれないといった様子で終わった日のこと、その日から今までのことを話してくれた。

あなたは深く傷ついている
それは奥さんの傷とどう違うの?

受講生は固まった。

頭ではわかるけど、ピンとこないでしょ?
すると、奥さんは子どもの面倒を見ながら、ピンとこない夫、あなたの面倒も常にみている。
そのことについて、男としてどうお考えになりますか?

結婚という二文字の可能性がなくなったら、あっさり終わりになったということは
あなたに対して彼女は本質的な魅力を感じてなかったからよね。
そういう女しか選べないというのは、あなた、どういう男なの?

やはり、固まったままだ。

共感能力が、本質への理解があなたには欠けていますね。
大きく偏っている。
あなたには発達の凸凹の課題がありますね。

すると、彼女との別れがどうこうというのも表層的な表面的なもので、
もっと人間の本質に関わるという点において
あなたは理解する力がないということをおっしゃっているんですか?

あなたが隠さなかったことによって奥さんがどれほど傷ついたかということ。
そのことへの本質的な理解がない。

そういうことですか?

あなたを選んだ奥様をぞんざいに扱っている。
これは罪である。
無知は仕方ないが、もう良い大人だ。
まずは妻の深層を理解できるようになれば、あなたはさらにいい仕事ができると思う。
どう思う?

あぁ・・・
と唸り声とも近い声が漏れ、長い沈黙が続いた。


ただ、 その偏りがありながらもよく生きてこられた。
物凄く傷つきやすい面があなたにはある。大人の男として鍛錬していかなければならない。
あなたの本質に周りの人が気づいたら?と考えると恐ろしいでしょ。

偏りがないに越したことはないけれど、偏りがあること自体は悪いことではない
まずは偏りに対する自覚が必要です。

今回、それはできましたね。
やっとスタートラインに立ったのです!50代でもまだ十分、間に合います。
厳しい道になりますが、やっていきましょう!

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