六呂瀬山一号墳(六呂瀬山古墳群)

六呂瀬山一号墳

福井県坂井市丸岡町にある六呂瀬山古墳群には4基の古墳がありますが、そのうち最大の前方後円墳が六呂瀬山一号墳。墳丘長147mは、東海・北陸では御墓山古墳(三重県伊賀市)、断夫山古墳(名古屋市)、昼飯大塚古墳(岐阜県大垣市)に次ぐ第4位の巨大な古墳ということに。一帯には古代の歴史ロマンが秘められているのです。

高志国を統治した大首長の墳墓

六呂瀬山一号墳は4世紀後葉に造られた巨大な前方後円墳(墳丘長に関しては自然地形のため、正確な計測が困難で、文化庁は140mとしています)。
墳丘は2段築成で、表面を葺石が覆い、墳丘上には円筒埴輪、朝顔形埴輪、家・鎧(短甲)の形を模した埴輪が並んでいました。
後円部東側には石を葺かない半円形の張り出しも付いています。

九頭竜川の右岸に位置する六呂瀬山古墳群。
標高50~200mの丘陵上には、約130基の古墳があり、全体を総称して丸岡古墳群と呼んでいます。
また対岸(九頭竜川左岸)にも手繰ヶ城山古墳(国の史跡)をはじめとする松岡古墳群があり、一帯が古くから拓けた地であることがよくわかります。

古代の北陸地方の中心は、まさにこの九頭竜川河口にあったのです(交易と農業用水の確保という利点がありました)。

丸岡古墳群の東南端に位置する六呂瀬山古墳群は、標高200mの六呂瀬山の山頂部にあり、前方後円墳2基(六呂瀬山一号墳、六呂瀬山三号墳)と方墳2基(二号墳、四号墳)が現存しています。
六呂瀬山一号墳の被葬者は、手繰ヶ城山古墳(4世紀中葉頃に築かれた越前における最初の大首長墳/墳丘長129m)の後、4世紀後半から5世紀前半にかけて存在していた高志国(こしのくに/後の越国で、律令制時代に越前、越中、越後に分離)における大首長の墓と推測できます。
坂井市丸岡町高椋は、『日本書紀』、『古事記』に記される継体天皇の母・振姫の故郷とされますが、継体天皇が生まれたのは5世紀後期とされるので、六呂瀬山一号墳に眠る首長は、それ以前に高志国を統治し、ヤマト王権と密接な関係を保った首長ということに。

近年の研究では、北陸南西部は、古墳時代の初めにヤマト王権の勢力下に入ったとされ、大陸との往来が頻繁になり様々な文化が流入した時代です。

六呂瀬山一号墳(六呂瀬山古墳群)
名称 六呂瀬山一号墳(六呂瀬山古墳群)/ろくろせやまいちごうふん(ろくろせやまこふんぐん)
所在地 福井県坂井市丸岡町上久米田
関連HP 坂井市公式ホームページ
ドライブで 北陸自動車道丸岡ICから約9km
問い合わせ 福井市文化課 TEL:0776-50-3164
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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