2661 花束

物思いに耽る(雑感)

今日はいつもより会社を出る時間が少し遅めになった。

21時を過ぎると、新橋駅前のSL広場脇の通りが歩行者天国になって、自動車の乗り入れが禁止される。そこを早歩きで歩いていると、信号を渡ってきたサラリーマン風の男性が、大きな花束を持っていたのに気付いた。

花束を持ったサラリーマンは駅に向かって歩いてた
今日の新橋

スーツ姿のサラリーマンが花束を持っている場合、年齢が若い場合はプレゼント用で誰かにあげるために、逆に、年齢が高い場合は、それは自分が受け取ったものであることが多いように思う。察するに転勤か退職だ。

そっか、今日は6月30日。今月いっぱいで去る人なんだ…。

この場合、花束は、本人が積極的に希望して受け取る性格のものではないから、先述の若者に比べて後者の花束は、“似合っている”とはちょっと言い難く、残念ながら、サラリーマンが花束の存在感に負けていることが少なくない。なんだか、こんな花束を持たされて、むしろ気の毒な感じすらした。

でも、ふと、考え方を変えてみる。

転勤や退職という新しい世界に踏み出す不安は誰にでもあるはずだ。もしこの花束が、新しい世界に向かうための、“たいまつ”だとしたら、これほど頼もしい明かりはないようにも思える。

だから、もっと誇らしげに、花束を持って、家に帰って欲しい…そんな気がした夜だった。

Posted by ろん