朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。野外で生活する地域ねこたちは、少しでも暖かい場所を見つける名人でもあります。今回ご紹介するねこちゃんは、路上に置かれたリュックの上を陣取りました。そこで発生する持ち主さんとの攻防戦。何度動かされてもリュックの上に戻っていきます。ツイッター上で8万件超の“いいね”を集めた動画について、リュックの持ち主で撮影者のまつ（@jagtmdjtt）さんに詳しいお話を伺いました。

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偶然の出会い…そして静かで熱い“攻防戦”へ

　まつさんの趣味は写真撮影。カメラリュックに愛機を入れて、各地での撮影に出向いています。今回話題になった動画も、そんな撮影中の出来事を収めたものです。

　とある場所で撮影を始めたまつさん。カメラのレンズを交換するため、背負っていたカメラリュックを地面に下ろしました。すると、あっという間にリュックを“乗っ取る”何者かが出現！　体格の良い地域ねこちゃんがどっかりと座り込んでしまいました。

　そこからは静かで熱い“攻防戦”がスタート。まつさんはリュックから降りるように手で優しく何度も促しますが、地域ねこちゃんは「にゃあ～ん」と鳴いて断固拒否。前足だけが外に外れても、またすぐ元の体勢に戻ります。その間の鳴き声は「やめてよ～」「別にいいじゃない！」と言っているようにも。

「偶然会った地域ねこです。リュックの上にいた理由は、その日が寒かったからかだと思います。10分ほどしたら自然と降りてくれましたが、逃げる様子はありませんでした」

　この動画がツイッターに投稿されると、8.3万件もの“いいね”を集めました。リプライ（返信）には「もう一緒に背負っていくしかない！」「鉄の意志を感じる……！」「リュックとセットなんだろうね」「ひーん、ボヨンとしたおちりかわゆいかわゆすぎる」と大反響。

　また、「ダメニャ！　ここは譲らないニャ」「連れてけ！」｢地面冷たいけど、ここ温かいから絶対に動かん！｣「殿のために温めてい……殿！　まだ温まっていません！　もう少し、もう少しだけ温めたいと……」など、ねこちゃんの気持ちを代弁する声も寄せられています。

手から伝わる優しさ　おうちには3匹の元保護ねこが

　リプライには、「ねこをどかそうとする人の動作が優しさ感じる」「まつさん（の手）の優しさも癒やされる」との声も。動画に映った手の様子だけで、まつさんの優しさを感じ取った人は多かったようです。

　それもそのはず、まつさんのおうちでは、黒ねこの「ろく」さんとグレーの「とん」さん、キジトラの「むー」さんの元保護ねこ3匹が仲良く暮らしています。ツイッターアカウントはもちろん、3匹のかわいらしい姿でいっぱいです。

　3匹との暮らしで大切にしていることは「当たり前かもしれないですが、家族として一緒に暮らすこと」と語るまつさん。ねこちゃんへの深い愛情は疑う余地がありません。

　リュックを占領した地域ねこちゃんも、よく見ると左耳は不妊手術済みを示す桜の花びら形。いわゆる“さくらねこ”です。まつさんとの人懐っこいやりとりからも、地域ぐるみでしっかりとお世話されていることが分かります。だからこそ、まつさんの優しさをすぐに見抜いたのかもしれませんね。

（Hint-Pot編集部）