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星降る大地でミルクキャンプ ~道北の自然と恵みを五感で味わう~|北海道・中頓別町

各地にさまざまなアウトドアエリアが点在する北海道。なかでも豊かな自然が残る道北の中頓別町は、隠れた星空スポットであり、風味豊かな牛乳が名物。その魅力を探りに、いざ星見キャンプへ!

待ち受けていたのは、青空と大地と牛たち

旭川から北へ車で3時間。小さな山あり、穏やかな川あり、広大な草原が広がる場所――それが中頓別町だ。道民ですら知らない人もいるほどのローカルな町だが、そこにはアウトドア好きを引き付ける魅力が詰まっている。

今回、そのポテンシャルを探りに訪れたのは、キャンプ&フードコーディーネーターとして活躍中の関根千種さんと、編集者の泥谷範幸。

「中頓別町の名物は『なかとん牛乳』なんですよね。これをぜいたくに使って料理を作りませんか?」

乳製品好きの僕は、料理のプロである関根さんにおんぶ&抱っこ。

「やっぱりシチューが良いですかね。あとモッツァレラチーズなら、その場で作って料理に使えそうです。モッツァレラチーズって低温殺菌かノンホモジナイズドの牛乳でないと作れないらしいのですが、なかとん牛乳は両方を満たす、素材が活きた牛乳なんですよね」

今回のキャンプのテーマは「ミルクキャンプ」に決定。旭川から中頓別に向かう車中、ふたりのミルク話は延々と続いた。

やがて道の両サイドには牧草の草原が。放牧されのんびりと草を貪る牛も現れた。中頓別町に到着したのだ。

町のあちこちで見られる牛の放牧風景。まるでスイスのよう
「ハイジの丘」から望む広大な風景。これぞ北海道、これぞ中頓別町! ※土地の所有者の許可を取って撮影しています

良質なミルクの料理で心が満たされる

道の駅でなかとん牛乳やハチミツを調達し、横にあるキャンプサイトへと向かう。目の前に現れたのはブラックのキャンピングボックス。キッチンやシャワーもある快適空間だ。僕らはその前にサイトを作り、料理を作り始めた。

名物「なかとん牛乳」。殺菌は低温、さらに脂肪球を砕いて均質化するホモジナイズ加工がされておらず生乳本来の風味が味わえる
地元産のフィナンシェ、プリン、ハチミツなども人気
ターミナルとなる道の駅ピンネシリ
道の駅で食材を購入。写真の人物)関根千種。イラストレーター、キャンプ&フードコーディネーターとして活躍。各地でキャンプを楽しむ。『ぜんぶ同時に出来上がる! 飯盒2 型絶品定食レシピ』(三才ブックス)を上梓

道の駅ピンネシリ

町の南部にあり玄関口となる道の駅。なかとん牛乳をはじめ、さまざまな名物や土産が購入できる。キャンプ場が併設されており、立ち寄り入浴できるピンネシリ温泉「ホテル望岳荘」も道路を挟んだ向かいに建つ

  • 北海道枝幸郡中頓別町字敏音知72-7
  • TEL.01634-7-8510
  • 営業時間:9:00 ~ 17:00
  • 定休日:年末年始(12月30日~1月3日)
  • www.nakatom.com
道の駅隣接の広々としたオートキャンプ場。水道・電源付きサイト、カーサイト、テントサイトなどがある
キッチン、トイレなどもあり快適なキャンピングボックス。キャンプ場は冬季クローズするが、こちらは通年使用可能。雪中キャンプも楽しめる

場内でテントサウナ体験も。機材一式がレンタルできるので、手ぶらでOK
薪の準備をして、いざサウナへ。身体が温まったら小さなプールに入水し、リクライニングチェアでチルアウト

僕がチーズを作り、関根さんはシチューやサラダの下準備。モッツァレラチーズの作り方はユーチューブで予習しておいた。「本当にできるかな……」という不安を抱きつつ、牛乳を温め、穀物酢を投入。すると、トロッと固まりができはじめ、チーズらしいテクスチャーになってきた。

「おお、ユーチューブの通り、簡単にできました!」

なかとん牛乳でモッツァレラチーズ作り。牛乳を60度に温め酢を入れるだけで簡単にできる

さっそくフレッシュなモッツァレラチーズを味見する。さっぱりしつつもミルク感があとから感じられ、既製品とはまったく違った風味だ。

「サラダにデザートにたっぷり使いましょう!」

夕刻、できあがったシチュー、サラダをふたりで味わう。どれも、しつこくなく、でもコクが感じられる。なかとん牛乳の味わいがしっかり活きているのだ。これぞリアル牛乳、ビバ、ミルクキャンプ!

道産の秋鮭を焼いてシチューへ
モッツァレラチーズとフルーツに中頓別産のハチミツを加えて
夕飯は牛乳を使ったシチューとモッツァレラチーズをぜいたくに使ったサラダ。産地だからこそのフレッシュな牛乳の海に溺れる

食後はホットチョコレートを手に、焚き火で温まる。ふと空を見上げると、空を埋め尽くほどの数の星が広がっていた。

「こんなに星空がきれいだなんて思ってもいなかったです! 旭川などの都市からも離れているんで、光害が少ないんでしょうね」

まさかの値千金の星空。中頓別、恐るべし……。

なかとん牛乳にチョコレートを溶かしホットチョコレートに。意外とさっぱりした味わいでクセになる

翌朝は近くを流れる頓別川の川下りへ。ガイド役の三浦毅さんの案内に従い、シングルパドルでインフレータブルカヌーを操る。始めは真っ直ぐ進めないが、慣れてきたら川面を流れるように進めるように。

ガイドを務めた三浦毅さん。普段はフィッシングガイドとしても活躍中
町を流れる頓別川で川下り。インフレータブルカヌーはニュージーランド製の特注品だ

「数年前に1年間暮らしたニュージーランドを思い出しました。あちらもあちこちで牛が放牧されていて、穏やかな川が広がっているんですよね。ここは日本じゃないみたいです」と関根さん。

川底には多数のカワシンジュガイが

なかとんべつ観光まちづくりビューロー

インフレータブルのカヌーを使った川下りなど、地元を知り尽くすガイドがフィールドをナビゲート。冬季は中頓別鍾乳洞の氷筍を見に行くスノーシューツアーなどが人気

  • 北海道枝幸郡中頓別町敏音知
  • TEL.01634-7-8650
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 定休日:年末年始(12月30日~1月3日)
  • www.nakatom.com

川下りを堪能したら、最後に北海道指定天然記念物である中頓別鍾乳洞へ。1000万年前に形作られた貝殻石灰岩の地形に佇み、僕は確信した。

自然の恵み、地球のレイヤー、宇宙の広がりを感じられる中頓別町。ここは、ほかのどの場所とも違うオンリーワンの別天地だった。

地下水による溶食によって形成された大きな第1洞。縦は約60m、横は約70mという広さ
公園に入ってすぐ見られる軍艦岩は貝殻石灰岩が堆積したもの。上を歩くこともできる

中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園

1000万年前に海底で形成された貝殻石灰岩が残る中頓別鍾乳洞が見どころ。北海道指定の天然記念物にもなっている。例年5月から10月いっぱいまで開場。春には軍艦岩の周りに芝桜が咲き、一面がピンク色に染まる

自家焙煎コーヒーが味わえるカフェも

ヤマフクコーヒー

市街地にある中頓別町唯一のカフェ。自家焙煎されたこだわりの淹れたてスペシャルティコーヒーを店内でいただくことができ、さらに豆やドリップバッグなども購入可能。フードメニューにもこだわっており、各種手作りピザ、パスタなども味わえる。休憩、ランチにぜひ。

  • 北海道枝幸郡中頓別町中頓別141
  • TEL.01634-8-7170
  • 営業時間:11:00~18:30
  • 定休日:月曜日、第2火曜日、第4火曜日
  • https://yamafukucoffee.square.site
コーヒーは機械でのドリップ、ハンドドリップ、ネルドリップの3種類あり。その他のドリンクも豊富
なかとん牛乳を使ったソフトクリームも販売
明るい笑顔がトレードマークの店長・蓮尾愛さん

中頓別町ってこんなところ

道北に位置する小さな町。豊かな自然と放牧酪農が魅力。

町の中心に聳える標高703mの敏音知岳(ピンネシリ岳)を中心に広がる道北の小さな町。放牧酪農が盛んで、町のあちこちで育てている牧草は町外に出荷するほど。オホーツク海へと注ぐ頓別川では川下りが楽しめる。アクセスは旭川空港から車で約3時間。電車でJR音威子府駅へ移動(所要約1時間40分)、そこからバスでアクセス(所要約1時間)も可能。旭川や名寄などの都市からは少し離れるが、その分、豊かな自然を体感できる。

シンボリックな敏音知岳。由来は男の山という意味のアイヌ語で、凛々しい姿が特長だ
山頂往復は約4時間。頂上からはオホーツク海や日本海も望める
かつてのゴールドラッシュの名残も

1898年、町内を流れるペーチャン川で見つかった砂金の採取に、全国から人が押し寄せたゴールドラッシュが町の起源。砂金のほとんどは採取されたが、いまでも川底からキラリと輝く砂金を見つけることができる。

毎年7 月中旬から8月下旬まで砂金堀り体験を開催
金箔が入った「砂金ようかん」など砂金にちなんだ土産も販売

企画協力◎なかとんべつ観光まちづくりビューロー
TEL. 01634-7-8650
www.nakatom.com

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PROFILE

フィールドライフ 編集部

フィールドライフ 編集部

2003年創刊のアウトドアフリーマガジン。アウトドアアクティビティを始めたいと思っている初心者層から、その魅力を知り尽くしたコア層まで、 あらゆるフィールドでの遊び方を紹介。

フィールドライフ 編集部の記事一覧

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