子供の在宅医療どうする? 31日に交流セミナー
「小児在宅医療とレスパイト」をテーマに、難病や障害を持つ子供とその家族への支援を考える「第7回市民交流セミナー」が31日午後1時から、奈良市の東大寺総合文化センター金鐘ホールで開かれる。
東大寺の境内で、難病や重度の障害がある子供とその家族が日常を離れて休息できる「奈良親子レスパイトハウス」と、東大寺福祉療育病院が主催。「在宅医療研修会を実施して~東大寺福祉療育病院からの報告」をテーマに、同病院の小児科医らが現状を報告。「在宅生活と親子レスパイト・現場の声」として、京都大医学部付属病院と淀川キリスト教病院の小児科医や、親子レスパイトの参加家族がそれぞれの立場から話し合う。
同ハウス名誉理事で、東大寺福祉事業団の狹川普文理事長による「天平人が願った福祉の心」と題した講演も。参加無料で、定員300人。申し込みは28日までに氏名や連絡先など記入し「奈良親子レスパイトハウス」にFAX(0742・23・0198)かメール(nara.oyako.respite@gmail.com)で。問い合わせは同事務局(☎090・3659・6332)。
家族の肉体的、精神的負担大きい
医療の進歩に伴い、医療的ケアを受けながら在宅で生活する重病や難病の子供は増加している。一方、そうした子供やその家族への支援体制の構築は進んでおらず、社会全体での対応が急務となっている。
県内では、がん(悪性新生物)などの小児慢性特定疾患や超低出生などで、気管切開や人工呼吸、経鼻栄養などの医療的ケアが必要な子供が102人(平成25年10月時点)いる。うち、人工呼吸器を装着している子供は35人で、5年間で約2・3倍に増加している。
一方、子供の患者の場合は高齢者のように在宅療養で利用できる介護保険制度がなく、家族には費用負担が課題となる。医療や介護に従事する人材も少ないため、家族が中心となっての介護がほとんどなのが現状で、家族には肉体的・精神的な負担も大きい。
県では医師や訪問看護師らを対象に、人材育成を目的とした研修などを実施。需要が高まる在宅医療への円滑な移行や、地域で安心して暮らすための支援体制整備推進を図っている。
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