前回は食べ物による夏バテについて調べてみました。
今回は栄養素に着目して、夏バテの原因を解明していきたいと思います。

スポンサーリンク

カリウム不足が夏バテの原因となるメカニズム

カリウムとは

カリウムはミネラルの一種で、
ナトリウムとともに細胞内液の浸透圧を調整する働きを持っています。

また、ナトリウムによって血圧が上昇するのを抑制する役割もあります。
日本の食卓はナトリウムを過剰摂取する傾向にありますので、
ナトリウムの排泄を促して血圧を下げる作用を持つカリウムは積極的に摂取する必要があります。

さらには、神経細胞膜で刺激伝達を行っているため、
カリウムの過不足によってうつや自律神経失調症などの精神的不調を引き起こすことがあります。

一般的な食事を取っているのであれば、カリウム不足も過剰摂取も起こりにくいのですが、
夏場に汗をたくさんかくことで、水分と同時にカリウムを発散してしまうことがあります。
これが低カリウム血症と呼ばれるもので、夏バテの原因と言われているものです。

カリウムが不足すると

カリウムの欠乏は、脱力感、膨満感、呼吸困難などの身体的不調や、
神経過敏になってイライラしたり、昏迷してどうしていいか分からなくなるなどの
精神的不調を引き起こします。

夏場に汗をかき、カリウムを発散してしまうことで上記のような症状が起こり、
わたしたちは、それを夏バテと呼んでいるのです。

また、カリウムが欠乏すると筋肉が収縮しやすくなるためこむら返りを起こしやすかったり、
最悪の場合には不整脈などで突然死の原因になることもあります。

スポンサーリンク

ちなみにカリウムが過剰になると

カリウムはナトリウムとのバランスでカルシウム濃度の変化にも影響を与えているので、
カリウムが過剰になると筋肉が収縮しにくくなり、弛緩庄や低血圧などの原因となります。
※腎機能障害がある場合や人工透析の場合は過剰摂取に気を付けましょう。


カリウム不足による夏バテを未然に防ぐ対策とは

カリウム不足が原因なので、カリウムをしっかりと補うことが夏バテ対策となります。

自然の食物は低ナトリウム、高カリウムであることがほとんどで、
加工食品は高ナトリウム、低カリウムとなる傾向にあります。
できるだけ、自然のもの、天然のものを摂取するようにしましょう。

特にカリウムを多く含む食材は、海藻類です。
次いで、芋類や野菜、きのこ、魚介、肉などもカリウムを比較的多く含みます。


またカリウムを多く含む食材を摂取することももちろん重要ですが、
食材の調理法にも注意が必要です。

カリウムには、水溶性で熱に弱いという性質があります。
そのため食材を煮た場合は、約30%のカリウムを損失すると言われています。
煮物や味噌汁など、ゆで汁を捨てないような調理法が向いているでしょう。

また食材を洗うときにもカリウムは水に溶けてしまいます。
長く水につける方法ではなく、手早く洗うようにしましょう。


カリウムの多い食べ物と目標摂取量

カリウムの目標摂取量

カリウムの摂取目安量は成人男性で2,500mg、成人女性で2,000mgです。
目標摂取量となるともっと増えて、成人男性で3,000mg、成人女性で2,600mgです。

カリウム含有量の多い食品

食品名 可食部100gあたりの含有量
刻みこんぶ 8,200mg
干しえび 7,100mg
ほしひじき 6,400mg
インスタントコーヒー(粉) 3,600mg
切干し大根 3,600mg
ドライトマト 3,200mg
玉露(お茶) 2,800mg
ココア 2,800mg
抹茶 2,700mg
味付けのり 2,700mg
大豆 2,400mg
カレー粉 1,700mg

参照:食品成分データベース(文部科学省)

このほかに納豆や野菜ジュースなどは手軽にカリウムを摂取することができます。


まとめ

バランスのとれた食生活を心がけることで、カリウム不足による夏バテを防ぐことができそうです。

またアーモンドやピーナッツなどもカリウムを多く含むため、
暑くて食欲不振な時には、おやつに食べてみるのもいいですね。

健康的な食生活と冷たいものを少し我慢することで、
夏バテを防いで元気に夏を乗り切りたいですね!


※記事の見解、内容及びそれらを実行することによって
もたらされる効果については個人差がありますので、予めご了承ください。
スポンサーリンク