米老舗百貨店ロード・アンド・テイラーは2日、バージニア州の裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請した。
ニューヨークタイムズによると、同社を所有するル・トートも、同様に破産法第11条の適用を申請した。
同社は3月、パンデミックに伴い38店舗を一時的に閉鎖していた。
1826年にニューヨークにオープンしたロード&テイラーは、米国最古の百貨店として知られる。昨年1月、1914年から営業を続けた5番街の旗艦店を閉鎖し、話題となった。建物はオフィスシェアのウィーワーク(WeWork)に8億5,000万ドルで売却された。
サックス・フィフス・アベニューを傘下に持つハドソンズ・ベイ(Hudson’s Bay)が2012年にロード&テイラーを買収したが、昨年8月、ファッション・レンタルサービスのスタートアップ、ル・トート(Le Tote)に1億ドルで売却することで合意に達した。
売却にあたり両者は、ハドソンズ・ベイがロード&テイラーに関連する不動産資産の所有権を引き続き保持することで合意。さらに少なくとも最初の3年間、ハドソンズ・ベイが賃料の支払いに経済的責任を負うこととなっていた。
米国では3月のパンデミック以降、大手小売りの破綻が相次いでいる。これまでニーマン・マーカスや、J.クルー・グループ、JCペニー、ブルックス・ブラザーズが連邦破産法第11条の適用を申請した。先月23日には、アン・テイラーやロフトなどを展開するアシナ・リテール・グループ(Ascena Retail Group)が破産法11条の適用を申請。同社は再建のために、最大で1,600店舗の閉鎖を計画していることが報じられている。
▼ニューヨーク5番街旗艦店 最終日の様子
▼旗艦店のホリデーウィンドウは冬の風物詩として、ニューヨーカーに長年親しまれていた。