オーヴァーレーシングは、その社名のとおりサーキットを舞台とするコンストラクターとして知られた存在だ。国内外のレースで好成績を残しており、 オリジナルフレームの OV シリーズはレーサーのみならず市販化もされている。レーシングマシンのエッセンスが味わえる車体構成パーツとして、高い評価を得ているのだ。
そしてレースフィールドで得たさまざまなノウハウをフィードバックした多くのパーツを世に送り出し、ミニ系からオーバーリッタークラスまで、その ラインナップはじつに幅広い。
長きに渡って作り続けられ、カスタムの世界で “定番” 化したパーツがある一方で、よりユーザーに楽しんでもらうための新たな製品開発にも余念が無く、常に進化を続けている。
ここではオーヴァーレーシングが日々行っている製品開発のなかで、新たなエキゾーストシステムのトップレンジモデルである 『TT-Formula』 シリーズをご紹介しよう。
『TT-Formula』 シリーズの一番の特色は、新デザインのサイレンサーにある。異形5角形とされており、サイレンサーに求められるさまざまな要素が高次元で実現されている。
オーヴァーレーシングを以前から知るユーザーにとってはホンダやヤマハのイメージがあるかもしれないが、じつはカワサキ系のパーツラインナップも 豊富にあり、さらなる充実が予定されている点も特筆すべきトピックだろう。
まずはルックスの大幅な向上が上げられるだろう。それも ZX-14R のようなビッグスポーツ系から ER-4n などのネイキッド系、T-MAX といったオートマチックスポーツ系に至るまで、幅広いジャンルをカバーしている。
その形状によって、深いバンク角を得られるのも大きなメリットだ。車体下部の低い位置となる車種でも支障は無い。また、特に消音性能を要求される大排気量系でも、必要な容量は十分すぎるほど確保されている。さらに、サイレンサー部分を車体側に追い込むことも可能となり、空力的な面でも有利なのだ。
異形5角形だから、当然のことながら5つの面がある。面と面が合わさるRの部分はエッジが立ったシャープなものとなっており、それによって独特のフォルムが強調されている。製作に当たっては新たに専用の型が製作され、入口側と出口側のパーツ(これも当然異形5角形だ)にも高い精度が持たされているのだ。そしてまた、この形状は強度が大幅に高くなっているのもメリットであり “たわみ” が極めて少なくなっているのである。
素材は軽量で腐食の心配が無いチタンを採用。車体の軽量化に貢献していることは言うまでもないが、重心から離れた場所にあるサイレンサー部分が軽くなることで、運動性能が向上することもポイントのひとつだ。また、前述のように強度が高められているため、従来よりも薄い板が使用可能になった。重量の点では大きなメリットだ。
騒音規制に対応しながらも、それぞれに搭載されているエンジン形式の特色に見合ったサウンドとなっている。つまり、マルチエンジンならばマルチらしく、ツインならばツインらしく、といった感じだ。そのあたりの音作りにも、オーヴァーレーシングが30年間培ってきたノウハウが活かされている。取材時は6車種のみに対応していたが、今後もラインナップは随時拡大される予定だ。 | TT-Formula フルチタンスリップオン |
2012年で創業30周年目を迎える総合バイクパーツメーカー。設立当初より積極的にレース活動を行い、実戦から得られたノウハウを製品にフィードバックしてきた。オリジナルパーツの開発には定評があり、特にオリジナルフレームの開発には多くの実績を有する。鈴鹿8耐や海外のシングルレースなど、OVERオリジナルフレーム車OVシリーズは好成績を残している。国内有数のコンストラクターである。
住所/三重県鈴鹿市国府町石丸7678-5
電話/059-379-0037
FAX/059-378-4253
営業時間/09:00-19:00
定休日/第2・4土曜日、日曜日
ZX-14R用バックステップキット。アルミ削り出し、アルマイト仕上げ。ステップ位置は4つから選択可能なマルチポジションタイプ。ブラックカラーもあり。
万が一の際に車体を保護するためのプロテクター的な存在。素材は工業用樹脂の1種であるジュラコンで、耐熱性や耐摩耗性が高い。取り付けに当たってはカウルを外す必要はなく、また加工も不要だ。
万が一の際にフロント回りやリアのアクスル部分を保護するためのスライダー。アルミ削り出しのベースブラケットも付属。スライダーの素材は耐熱性や耐摩耗性が高いジュラコン。