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鹿島神宮の要石は恋愛のパワースポット?それとも縁切り?

鹿島神宮の要石は恋愛のパワースポット?それとも縁切り?

鹿島神宮は茨城県鹿嶋市に鎮座する常陸国一宮。

神話の「国譲り」において、大国主命から葦原中国(あしはらのなかつくに)を譲り受けた「武甕槌神(たけみかづち)」を祀ります。

香取神宮と深い関係にあり、鹿島、香取と並び称されます。もとより、香取の経津主神とは、共に国譲りの大業を成した間柄でした。

そして、武甕槌神は最強の「武神」といわれ、鹿島神宮は東国随一の古社とされます。

果たして、武甕槌神の霊威とは。また、関東最大のパワースポットともされる「要石」の謎とは。

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鹿島神宮のご霊験と武甕槌神のパワーの秘密

武甕槌神は、国譲りにおいて大国主命の子神、建御名方命に挑まれ、力比べで、これを屈服させて国譲りを成します。ゆえに、武甕槌神は武神とされます。

中世以降、武家政権から軍神として崇敬され、経津主神とともに武道の神ともされました。

ご霊験は勝運守護、勝負必勝。また、国譲りに由来して、交渉ごとを勇気をもってすすめ、目的を達成するパワーを施すとも。恋愛についても然り。

武甕槌神の系譜とは。そして、香取の経津主神との関係とは?

古く、藤原氏の祖、中臣鎌足は鹿島で生まれたともされ、子の不比等は鹿島、香取の分霊を奈良に迎えて春日大社を建立、氏神とします。武甕槌神と経津主神は、中臣氏に纏わる眷族神。

そして「八幡宮御縁起」は、鹿嶋明神、春日明神と筑前、鹿ノ島の明神、磯良を一躰分身、同躰異名として、武甕槌神を阿曇氏の祖神、磯武良と同神とします。

たしかに、鹿島神宮や春日大社では「鹿」を神使とし、阿曇氏の氏神、博多湾の志賀海神社も、鹿の神祇。鹿島と志賀(鹿)島を繋ぐ「鹿」トーテムの海人の存在。

鹿島最大の祭りが、武甕槌神が船団で巡幸、香取の経津主神と水上で出会う「御船祭」であることも興味深いことです。

鹿島神宮最大の霊威、要石に秘められた謎

鹿島神宮最大の霊威、要石に秘められた謎

境内に「要石」があります。香取神宮と並び、地震を起こす「大鯰」を抑えるとされます。

神話や伝承は、何らかの史実を投影するともされます。

「鯰」をトーテムとする民があります。肥前国一宮、與止日女神社は鯰を眷属とします。與止日女は有明海沿岸に分布する海神、多くの社で鯰の像が祀られ、そして、鯰の信仰は、阿蘇などにも広がります。

武甕槌神や経津主神を奉斎する氏族が、鯰トーテムの民と、軋轢があったとすれば「要石」の存在には、興味深いものがあります。

不思議な符合があります。国譲りにおいて、武甕槌神が諏訪に追いつめた建御名方神も「鯰」を神使とします。伝承では諏訪の湖に逃れた建御名方神を、大鯰が背に乗せて対岸に渡したとされます。

「要石」の存在とは、今だに建御名方神の神霊を封じているということでしょうか。

「要石」は太古の鯰トーテムの民との軋轢が秘められた、氏族の葛藤が生み出すパワースポット。「悪縁切り」の霊験が伝えられるのも、そういう意味かも知れません。

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鹿島神宮に点在するパワースポット群

境内は鬱蒼とした常緑照葉樹の樹叢、樹齢数百年の巨木が林立して、聖域にふさわしいパワーを秘めます。

大鳥居をくぐると空気感が変わります。正面に朱塗りの楼門、日本三大楼門の一ともされます。

楼門をぬけると拝殿と本殿。奥には高さ40mの巨杉、樹齢 1,300年とされるご神木。強い「気」が流れています。

奥参道の先には、武甕槌神の荒魂を祀る「奥宮」。その奥に、要石や、長命水とされる霊泉、禊の御手洗池。ここでは正月に大寒禊が行われます。

鹿島神宮の要石は恋愛のパワースポット?それとも縁切り?まとめ

鹿島神宮の授与品は、旅立ちを祈る「鹿島立守」、武甕槌神の姿を写した「勝守」。武道神、鹿島大明神のご神徳「武道守」などが人気。

また、安産祈願の「常陸帯守」や可愛い「鹿島の帯占い」、楼門を刺繍したオリジナルの御朱印帳も好評です。

鹿島神宮
主祭神 武甕槌大神
社格 式内社(名神大)常陸国一宮 官幣大社 勅祭社 宮中四方拝の一
創建 神武天皇元年
茨城県鹿嶋市宮中2306
0299-82-1209
公式HP: 鹿島神宮 | 常陸国一之宮
交通
JR鹿島線「鹿島神宮駅」徒歩10分
高速バスかしま号「鹿島神宮」
車では、東関東自動車道「潮来IC」から国道51号を鹿嶋方面へ20分

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