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携帯通信サービスもフリーミアムで - 米フリーダムポップ、iPhone用モデム付きケースの予約を開始

2012.05.11

Updated by WirelessWire News編集部 on May 11, 2012, 10:43 am JST

無料VoIP/チャットサービスの「Skype」やP2Pのファイル交換ソフト「Kazaa」などの実績を持つニコラス・ゼンストローム(Niklas Zennstrom)氏が支援する通信関連ベンチャー、フリーダムポップ(FreedomPop)が米国時間10日、無料で4Gサービスを利用できるiPhone用スリーブ(ケース)の予約受付を開始している。

これまでどちらかというと「スティルスモード」で情報を小出しにしてきた印象のあるフリーダムポップだが、今回の発表ではより具体的な事柄がいくつか明らかにされている。

そのひとつは、同社がMVNOとして利用するネットワーク網がクリアワイア(Clearwired)のWiMAX網となっている点。以前の計画では、回線のホールセラーとしてライトスクウェアード(LightSquared)の名前も上がっていたが、既報の通りライトスクウェアードのLTE網展開計画がほぼ頓挫したことを受けての変更と見られる。

ふたつめはユーザーが無料で使えるデータ通信量で、以前は毎月1ギガバイトといった数字も出ていたが、今回の発表ではこの容量が500メガバイトとなっている。また細かな点では、99ドルの預託金と交換でiPhone用ケース(予備バッテリー、Wi-Fiアクセスポイント付きのダイアルアップルーター)を提供としていたが、これを販売の形に切り替えるという。なお、iPhone (4もしくは4S)についてはユーザーが自分で用意することになるが、ケースはモバイル・ホットスポット機能付きということなので、これ1台でタブレットやパソコンもWiMAX網につなげてしまえる可能性もある。

ユーザーはこの99ドルの専用ケースを買うことで、毎月500メガバイトまで無料でデータ通信サービスを使えるようになる。仕組みとして面白いのは、この割り当てられたデータ容量を一種のデジタル通貨として機能させようとしているところで、ユーザーはこれを他のユーザーとやりとりすることができるほか、同社のサービスを友人・知人に紹介した際のアフィリエート手数料や今後発表される付帯サービスに加入した際のポイント代わりに、無料のデータ量がさらにもらえるという(最大で月1ギガバイトまで)。

フリーダムポップでは、無料分を超えたデータ通信量について1メガバイトあたり1セントで課金するほか、将来的には何らかの付帯サービスを販売するといった形でのマネタイズを考えているという。

潜在ユーザーにとっては、端末(iPhone)自体への割引がない、回線がWiMAXであるため当初は74の市場でしか利用できないなど、いくつか大きな課題もある。しかし、米市場ではすでに従量制課金に移行したAT&Tやベライゾン(Verizon Wireless)がiPhone人気に牽引される形でスマートフォン・ユーザーを増やすいっぽう、コスト意識の高い消費者の間ではプリペイド契約を選ぶユーザーが増えた結果、これまで契約者の流出が続いていたT-モバイル(T-Mobile USA)で加入者が増加に転じるなど、「二極化」の流れも目立ってきている。そうしたなかで、両方の「良いとこ取り」をねらったこのフリーダムポップのサービスがどこまで人気を集めるのかが注目される。

なお同社のサービスは、今年夏中に開始の予定だという。

【参照情報】
FreedomPop starts taking orders for 4G iPhone sleeve - GigaOM
Backed by Skype Co-Founder Zennstrom, FreedomPop Starts Taking Sign-Ups for 4G iPhone Sled - AllThingsD
FreedomPop Revamps Free Data Plan For Their $99 WiMax iPhone Case, Puts It Up For Pre-Order - TechCrunch
「4Gサービスを無料で」- スカイプ創業者が率いる謎のベンチャー、ライトスクウェアードとの契約を発表

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