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K

ケック ラジカルアリル化反応 Keck Radicallic Allylation

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概要

アルキルハライドとアリルトリブチルスズを用い、ラジカル条件下アリル化を行う方法。ラジカルの高反応性を活かして混み合った位置に炭素-炭素結合を形成できるのが特徴。

炭素源としてはアリルスズの他にアリル(トリストリメチルシラン)、アリルスルホンなどを用いることもできる。

 基本文献

・Kosugi, M.; Kurion, K.; Takayama, K.; Migita, T. J. Organomet. Chem. 1973, 56, C11. DOI: 10.1016/S0022-328X(00)89940-4
・Grignon, J.; Servens, C.; Pereyre, M. J. Organomet. Chem. 1975, 96, 225. DOI: 10.1016/S0022-328X(00)83550-0
・Keck, G. E.; Yates, J. B. J. Am. Chem. Soc. 1982104, 5829. DOI: 10.1021/ja00385a066
・Migita, T.; Nagai, K.; Kosugi, M. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1983, 56, 2480. doi:10.1246/bcsj.56.2480
・Keck, G. E.; Enholm, E. J.; Yates, J. B.; Wiley, M. R. Tetrahedron 1985, 41, 4079. DOI: 10.1016/S0040-4020(01)97185-6

<allylsilane>
・Kosugi, M.; Kurata, h.; Kawata, K.-i.; Migita, T. Chem. Lett. 1991, 20, 1327. doi:10.1246/cl.1991.1327

<allylsulfone>
・Quiclet-Sire, B.; Zard, S. Z. J. Am. Chem. Soc. 1996118, 1209. doi:10.1021/ja9522443
・Le Guyader, F.; Quiclet-Sire, B.; Seguin, S.; Zard, S. Z. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 7410. DOI: 10.1021/ja9708878

反応機構

ラジカル機構で進行する。
keck_allylation_2.gif

反応例

Merrilactone Aの合成[1] keck_allylation_3.gif
Garsubellin Aの合成[2] keck_allylation_4.gif

(-)-Tuberostemonineの合成[3]

keck_allylation_5

Ryanodolの全合成[4]

keck_allylation_6

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] (a) Birman, V. B.; Danishefsky, S. J.J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 2080. DOI: 10.1021/ja012495d (b) Meng, Z.; Danishefsky, S. J. Angew. Chem. Int. Ed. 200544, 1511. doi:10.1002/anie.200462509
[2] Siegel, D. R.; Danishefsky, S. J. J. Am. Chem. Soc. 2006128, 1048. DOI: 10.1021/ja057418n
[3] Wipf, P.; Rector, S. R.; Takahashi, H. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 14848. DOI: 10.1021/ja028603t
[4] Nagatomo, M.; Koshimizu, M.; Masuda, K.; Tabuchi, T.; Urabe, D.; Inoue, M. J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 5916. doi:10.1021/ja502770n

 

関連反応

 

関連書籍

外部リンク

Keck allylation
Gary E. Keck
柳 日馨 研究室
Curran Research Group

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