最近、あまり耳にしない言葉ですね。
差別用語扱いなのかな?
ホームレスと言ったところで実態は一緒だから乞食でいいと思うんだけど。
子供手当ての法案が出たときも「そんなものをもらう奴は乞食だー」みたいな批判が見られました。
最近では、乞食が政権を取るとロクな事がないという批判を目にする。
中国共産党的なもの、共産主義的なもの、そういうものに対する反発なんだろうと思います。
この乞食という言葉を見ると思い出すことがある。
うちのばあちゃんは僕が小学校5年生のときに死んだんだけど、そのばあちゃんの生き方を思い出す。
早くに旦那を亡くし子供が9人。
長女は栄養失調により若くして死亡。
無事に育ったのが8人でした。
昔は貧乏だったってよく話をしてくれた。
そんな貧乏な暮らしをしていても、乞食を家に連れてきて面倒をみたり(食事を与えた)、使いを頼んだり(仕事を与えた)してたという。
小柄で、タバコと酒が好きで、いつも大きな声で笑ってた。
いたずらをして、しょっちゅうひっぱたかれた。
今の年寄りはどう?
孫をひっぱたく年寄りってどれくらいいるだろう?
大東亜戦争が開戦してから約70年。
今の年寄りの多くは、戦前を生きていない。
せいぜい覚えてるのは、戦後に食べ物がなくて貧乏だったこと。
戦後、朝鮮戦争特需があって景気が上がり、その後高度成長期と言われる時期を体験する。貧乏だったことだけは覚えてるから、とても貧乏を恐れる。
そんな年寄りが多いように思う。
僕の周りで見聞きする人たちの話です。
乞食の話に戻ります。
うちのばあちゃんの言葉で、とても印象に残る言葉がある。
ちょっとだけだけど、見習おうと思ってること。
それを思い出します。
「人に施しを受けるのが乞食。貧乏だから乞食なんじゃない。」
そう言って、死ぬ1週間ほど前にトイレで倒れるまでは、医者や年金の世話にはならないと言って、自分から医者に看てもらうことはなかった。
ばあちゃんにとっては、社会保障のたぐいは「施し」だったわけです。
高齢者医療の問題でもめたときも、興奮して真っ先に怒り出したのは、前述の年寄りたちだった。そういう煽動もあったと思うけど。あの時、うちのばあちゃんが生きてたらどう思っただろう?
左派系が集まる民主党政権を「乞食が政権を取った」と評価するのは間違いはないと思うけれど、はたして批判できるんだろうか?
「施しを受けない」「自立した生き方」をしてた人がいたのは確かです。
今の時代、とても難しいかもしれませんが、自己規制できないほどの厳しいやり方は問題外としても、自立に向かう生き方を選択し努力することはできる。 個人が自立すれば社会も自立性が高くなると思う。
金融の世界に身を置いているので、多少は知っていると思ってますが、投資は必要としているところにはほとんど回りません。
自分で会社をやってみてもわかります。資金が必要なときには銀行は金を貸さず、儲かり始めてから借りてくれって頭を下げにくる。
投機を仕掛けているところにお金が集まっていく仕組みになってます。ほとんどが死に金です。
そんな中でFXだの株だのと、死に金を一生懸命稼ごうとする年金暮らしの年寄りを見ると、少なくとも自分のばあちゃんとは違う生き物に見えます。
少なくとも「オレは乞食じゃない」と言って死んでいったばあちゃんの方が、僕には高貴な精神を持った人間に見えます。
予備軍もたくさんいそうです。
ディスカッション
コメントはまだありません。