美味しい日本酒を醸す上で、非常に重要となる”酒米”。
日本酒の味わいを左右する上で、良質な酒米選びは必要不可欠なものです。
日本全国には数多くの酒造好適米がありますが、今回はその中でも最も有名な五大酒米をご紹介します。
【種類別】美味い日本酒を醸す酒米の特徴!
Contents
山田錦の特徴!
山田錦の味わい!
山田錦は、
・上品な味わい
・高精白しやすい形状
・日本酒造りに最適なタンパク質含有量
を持つ、酒造好適米の中でも重宝される酒米です。
山田錦で醸す日本酒は、”バランスのとれた香味“と”きめ細かいまろやかな風味“、”コクのある甘口“になりやすいのが特徴です。
フルーティですっきりとした味わいが特徴の『獺祭』は、全て山田錦から造られているなど、高品質の日本酒を醸す際には欠かせない酒米となっています。
→関連記事:【山口】『獺祭』究極に磨きぬかれた美しい日本酒!
全国一の生産量!
山田錦は全国一の生産量を誇り、その9割以上が日本最大の酒どころである兵庫県で作られます。
2001年に五百万石を抜き、酒造好適米の作付け日本一に輝くなど、日本酒造りには欠かせない酒米です。
そんな酒造好適米のなかでも群を抜いて優秀な山田錦ですが、栽培が非常に難しい酒米の一つでもあります。
倒伏しやすく、病気にもかかりやすかったり、朝晩の気温差が大きい土地での栽培に限られるなど、栽培には様々な条件があります。
雄町の特徴!
雄町の味わい!
雄町から醸される日本酒は、コクのあるフルボディの日本酒に仕上がり、味わいに幅があります。
すっきりとした飲み口、かつ上品な味わいになる山田錦とは対照的な酒米で、雄町は山田錦と並ぶ人気を持つ酒米です。
100年以上の歴史を持つ唯一の酒米!
雄町は100年以上途切れずに栽培されている唯一の品種で、高い品質が特徴です。
長い歴史を持つ雄町は、全国各地で交配種としても使用されています。
日本に現存する酒造好適米の品種うち、約65%が雄町を系統としているなど、雄町は”全国の酒米の生みの親“とも呼ばれる酒米です。
全国的に有名な山田錦や五百万石などの優良酒造好適米も雄町から生まれるなど、現在の酒米を語るには欠かせない存在となっています。
最高品質の雄町”備前雄町”!
雄町の生産量の約9割が岡山県で作られています。
その中でも最高品質を誇るのが、旧軽部村(現在の赤磐市)で栽培される雄町です。
旧軽部村周辺の雄町は「備前雄町」と呼ばれ、地元の酒蔵でしか使用されない貴重な酒米です。
備前を訪れた際には是非とも備前雄町で醸す日本酒を味わってみてくださいね!
五百万石の特徴!
五百万石の味わい!
五百万石は、製麹しやすい性質を持つ良質な酒造好適米で、すっきりとした端麗な味わいを持つ日本酒を醸します。
五百万石は、主に新潟や福井、石川、富山など北陸地方で栽培されています。
かつて、日本酒ブームを起こした新潟の端麗辛口な日本酒を数多く醸しました酒米でもあります。
五百万石の名前の由来!
五百万石の名前は、昭和32年、新潟県が米生産量五百万石を突破したことを記念にし、命名されました。
五百万石は、2001年に山田錦に抜かれるまで、長い間、酒造好適米の作付け日本一に君臨しました。
五百万石は性質上、高級な日本酒を醸すにはあまり向いていませんが、麹が作りやすく、綺麗な酒質の日本酒を醸します。
美山錦の特徴!
美山錦の味わい!
美山錦を使用した日本酒は、滑らかでさっぱりとしたキレの良い味わいに仕上がるのが特徴です。
美山錦は、粒が大きく豊満で粒溝が浅いため、非常に酒造りに適した酒米です。
その名の由来は「北アルプス山頂にかかる雪のような心白」からきているといわれています。
寒冷地に適した酒米!
美山錦は寒さに強く中山間地域での栽培に向いています。
日本でも最大の美山錦生産量を誇る長野では、標高700m以下の酒米生産地帯で栽培されています。
長野の他にも、山形や秋田、岩手など東北地方を中心に広く生産されている酒米です。
→関連記事:『信州の希少なお酒!長野の日本酒の特徴!』
八反錦1号の特徴!
八反錦1号の味わい!
八反錦1号を使用した日本酒は、滑らかでさっぱりとした味わいに仕上がります。
その味わいから食中酒向きのお酒を多く生み出し、料理と合う日本酒を醸す酒造好適米として有名です。
また、八反錦1号は粒が大きく、溶けやすいため、旨味が出やすいことでも知られており、高級酒用の酒米としての地位を築いています。
八反錦1号は、「広島八反」と「アツホ」を交配させてできた品種で、倒れにくく、吸水性に優れた品種です。
ただ一方で、胴割れがしやすいため、慎重な作業が必要とされる酒米でもあります。
そんな強さと繊細さを併せ持つ酒米”八反錦1号”。
日本酒を語る上では必ず耳にする酒米ですので是非とも記憶の片隅に置いておいてください!
八反錦1号を作る広島県!
八反錦1号の主に広島県で栽培されています。
広島県の酒米面積のうち、約90%が八反錦だといわれており、広島県中北部の標高200~400mの地域で広く栽培されています。
「秋の田園を豊富な酒米で飾りたい」という想いから名付けられた「八反錦1号」。
そんな八反錦1号から醸される日本酒を是非とも味わってみてくださいね!
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