ウサギがカメかではなく

 ウサギとカメの寓話は誰でも知っているでしょう。一般的にはカメのように、急がなくてもいいからコツコツとやり続けるならば、報われる、あるいはウサギのように自分は早いのだからとタカをくくるなということを教えていると理解されているでしょう。ただ、それだけではないように思うのです。

 妻は、神学校で教務の仕事をしていましたが、レポートの出し方でその人がある程度わかると言っていました。期限に余裕をもって提出する人、期限ちょうどに提出する人、期限ギリギリに駆け込む人、期限を過ぎてから泣きつく人。それは、何回繰り返しても変わることがないと言うのです。えっ、私?私は期限ギリギリに駆け込む人です(笑)。とにかくコツコツと物事に取り組む人もいれば、短期決戦、そのためのエネルギーを蓄えて、とてつもない仕事を一気にこなし、それが終わると再びエネルギーを貯めるという人もいます。いろいろなタイプの人がいます。

 日本人という国民性もあるでしょうし、育った風土によっても、違うでしょう。南の人はたいていおおらかです。冬に外で寝ても死ぬことはありませんし、一年中畑で何かがとれます。北国はそうではありません。冬の間は雪に閉ざされ、食べ物と燃料を蓄えなければなりませんから、夏の間に勤勉に働かなければなりません。生まれつきゆっくりの人もいれば、行動的な人もいます。

 いい悪いの問題ではなく、賜物の問題ではないでしょうか。「いろんな人がいて豊かになる」という考え、互いの賜物を生かし合うことを求めたいのです。

「ですから、ちょうど、からだが一つでも、それに多くの部分があり、からだの部分はたとい多くあっても、その全部が一つのからだであるように、キリストもそれと同様です。」1コリント12:12