あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」 仲山進也
あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」 仲山進也著を読み終わった
この本との出会いは参加しているサークルのタイムラインで
”ネットのマーケティングのことを勉強するならこれがいいよ”
とオススメされたのがキッカケだ
人がオススメしたものは自分の価値観にあってないモノであったとしても
”オススメてしてくれたし、もしかしたら今までの価値観はベターであってベストではないと気づかせてくれるかも”
と考えできるだけ試している(自分の時間とお金のリソースから考えて試さない場合もある)
そういった思考錯誤の中でこの本は!と思わせてくれる本だった
本の要約として一発くんと老舗くんの二つが大事なキーワードになる
一発くんというのはとにかく目先の売り上げを少しでも増やそうとして戦略の存在しない(つまり安売りするだけでその後の考えが全くないということ)をしてしまうネットショップ(ネット上の店舗のこと)のこと
反対に老舗くんというのは一発くんと違ってまるで店先での対面販売のようにネット上であるけれどもパソコンの画面越しにお客さんのことを真摯に考えて
”こうしたらお客さんが喜んでるれるじゃね?”
と喜びそうなことを企画するネットショップのことを指す
今の時代楽天とかアマゾンを見ればわかるけど本当にすごい
あのデカイ規模だからこそ
”今ならポイント〇〇倍!”
”期間限定で半額”
とガンガンプロモーションをかけることができる
こんなのアマゾン、楽天といったジャイアントじゃない一個人レベルで細々とやっているようなネットショップが勝てるわけない
うまくいっている状態なら良いがいずれはジリジリと安売りになり最終的には相手か、もしくは自分のどちらかが倒れるまでずーっと続いてしまう
そんな場合どうすれば良いのか?
ここで一発くんではなく老舗くんはどうやってネットショップを運営しているのか?
彼らは商品ではなくて
”この商品を使うことによってあなたの人生は今よりもっと良くなりますよ!”
と訴えかけることによってお客さんを自分たちのファンにしてしまっている
本の中から具体例をあげると佐々木伸一さんという日本酒好きの店長さんがいて、その人は楽天のスーパーセール期間中に値引きなし(!?)で一本6200円で720mlの高額日本酒をたったの7時間で売り上げました
そうするために彼がやったことというのはなんだと思いますか?
ちょこっと考えてみてください!
ちっ
ちっち
ちっち
ぽーん
いきなりスクロールしないで少しは考えてみてくださいねw
正解は
長〜いメルマガを書くことでした!
それも全部で一万文字近いメルマガですw
(ちなみにこれが例の長いメルマガ全文です=>ブログの記事ですがw)
めっちゃ魂こもってますよねw
こんだけ気合い入ってたらこの老舗くんのファンだったらついつい無理して買っちゃいますよねw
モチロンこのメルマガを配信する以前にお客さんが自分たちのファンになってくれるように事前にいろんな工夫を施さないといけませんが、この日本酒にかける気持ちってすごいですよね
佐々木さんだけじゃないんですが老舗くんって自分の扱っている商品、分野に関する知識がものすごい豊富だけじゃなくてそれを伝える手段が秀逸なんです
他に例をあげるならレモン部というのが紹介されています
レモン部っていうのは三重県の苗木店花ひろばオンラインが始めた活動で、このお店でレモンの苗木を買うとレモン部に参加できます
レモン部のすごいところというのはこのネットショップの店長さんからレモンの苗木の育て方をオンライン形式で教えてもらえて、しかも不具合が(レモンの発育が良くないなど。天候が不順でどうすれば良いのかなど)発生したらその場で教えてもらえることなんです!
普通に考えたらこんなコスパの悪いことしないですよね
こんなことに時間と労力を費やすんだったら他にやったほうが売り上げが上がりますよね
でもここの店長はそこがわかっていてもレモン部をやったんです
確かに最初は時間ばかり取られて採算が合わなかったんですが塾が継続していくうちにレモン部の会員同士の繋がりが密になって
”鉢植えにこんなの使ってるんだけどどう?”
と本店の商品を口コミで紹介してくれたりして徐々に売り上げにも貢献するようになりましたw
思考を少し柔軟にして考えて良くありがちな安売りに走って顧客の囲い込みを図るんじゃなくて、目の前のお客さんを大事にし、そこ起点にして雪玉を坂から転がし落とすように徐々に大きくしていくことで売り上げを伸ばしていく、、、
思考を今までの凝り固まった状態ではなくて少し柔軟にして考えてみたら道は開けるということを考えさせてくれる本でした!