他者との交流によって成立する制度の存在が、「コミュニティ」を成立させることとなる。人は、コミュニティの中でしか生きられないという認識に立てば、コミュニティの持続可能性を確保するという課題が立ち現れる。
デイリー=コブは、『共通善のために』において、「真の経済学はコミュニティ全体の長期的な福祉に関心をもつ」ものであるとし、自己の利害のみに関心のある個人としての経済人のイメージを「コミュニティの中の人」のイメージに置き換えるべきと述べた。※:I)彼らは「人間は根本的に社会的な存在であり、経済学はこの現実認識に沿って組み立て直されなければならない」と主張した。
■参考文献
For The Common Good: Redirecting the Economy toward Community、 the Environment、 and a Sustainable Future、 Herman E. Daly、John Cobb、 Jr. 1989
「持続可能性を確保する社会思想」 倉阪 秀史 『現代思想』二〇〇七年十月号所収
「コミュニティの基盤としての社会的共通資本―持続可能性という共通善の実現に向けて」 倉阪 秀史 千葉大学 『公共研究』 第五巻第三号(二〇〇八年 十二月)[編集部]
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註
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