産後のつらい腱鞘炎はいつまで?対処法は??



腱鞘炎とは??

手首には指の動きをつかさどる腱という筋があり、腱はトンネル状の鞘(さや)のようなものでおおわれています。これが腱鞘と呼ばれるものです。指を動かすと腱は腱鞘のトンネルの中を動きますが、腱鞘が腫れ、炎症が起こってしまうと、腱自体を圧迫し、痛みが生じます。これが腱鞘炎です。またの名をドケルバン病とも言います。

産後の腱鞘炎はいつまで?原因は何?ホルモンバランスも関係あるの?

◆抱っこによるもの

腱鞘炎は抱っこが主な原因なので、抱っこをする機会が減ってくると治まってくると言われています。大体赤ちゃんが9カ月ぐらいになると、少しずつ、歩き出したりハイハイし出したりし始め、抱っこする機会が減ってくるので、この頃には痛みが治まる方も多いようです。ただ、個人差も大きく、長引く場合もありますので、あまりにも痛みがひかない場合には病院での受診をおすすめします。

◆ホルモンバランスによるもの

産後の腱鞘炎はホルモンバランスも大きく影響しています。出産をすると子宮や骨盤が緩みますが、それを元に戻すためにプロゲステロンというホルモンが分泌されます。このホルモンは骨盤や子宮だけでなく、全身に影響して、腱鞘も収縮させ、狭くさせてしまうので、痛みが起こりやすくなるのです。

その上で赤ちゃんを抱っこしたりすると、手首に負担がかかり、腱鞘炎が更に起きやすくなります。ホルモンバランスは、通常半年程度で落ち着いてきますが、悪化させないためには、手首に負担がかからないよう日頃から正しい抱っこの仕方を心がけることが大切です。

産後の腱鞘炎対策や対処法は??

腱鞘炎はいきなりなるわけではなくて、じわじわと負担がかかって発症するので、まずは悪化する前にケアをすることが大事です。何となく腕がだるい、疲れている、ちょっと動かすと痛いというような時は、要注意ですので、ひどくなる前にケアをしましょう。

◆抱っこひもやサポーターを活用しよう

基本的には手首を使わないようにするということが一番です。できるだけ抱っこではなく抱っこひもを使う、サポーターで腕や手首を固定するといった方法で手首を休ませましょう。

◆ストレッチやマッサージをする

腕がだるい、疲れているなど、ひどくなる前の段階では、筋肉をほぐして血行を良くしてあげることが重要なので、マッサージやストレッチが有効です。逆の手で腕をもみほぐしたり疲労感のある部分を伸ばしたりしてみましょう。
ただし、炎症を起こして患部が熱を持つようになってしまうと、マッサージやストレッチは逆効果なので、安静にして湿布や氷水で冷やしましょう。shutterstock_275130680

湿布やサポーターは効果ある??

炎症が起こって痛い時は冷やさなければいけないので、冷湿布を、痛みはなく腕がだるい時は、血行を促す温湿布を使いましょう。貼る位置は痛いところや腫れているところ、熱を帯びている箇所です。温湿布の場合は、患部と腕の内側(親指の延長線上)に貼ってください。

サポーターは、リストバンド型や、親指が出るタイプなど様々ありますが、親指が出るタイプは、親指から手首にかけて広い幅を固定できるので、おすすめです。整形外科に行くと、その場で購入することができることもありますよ。shutterstock_367467872

腱鞘炎のママにおすすめのストレッチは??

痛みがひどくない段階でできるおすすめのストレッチは、手のひらをグーにして、それを8の字に回す方法です。手首の血行が促進し、腕の下の筋肉が伸びるため、疲労感の改善が期待できます。

基本的にストレッチやセルフケアは、痛みがひどくない程度で行うべきものなので、動かすと痛い、激痛が走るという場合は控えてください。

病院での治療はどんなもの?注射は受けた方がいいの??

病院では、多くの場合レントゲンなどで検査をして、湿布や塗り薬を処方されます。ただし、これらは対処療法にすぎないので、根本的に治すためにはセルフケアをしっかりした方がいいでしょう。

また、重症の場合はステロイド注射や腱鞘切開手術もあります。ステロイド注射は患部に直接注射しますが、場所が狭いため確実に入れることが難しく、医師の技術によって効果が左右されることもあるようです。さらに、注射は血液中に入って母乳に影響してしまうので、ハイリスクハイリターンでもあります。育児中であることを伝え、お医者さんとの相談の上で慎重に治療を進めてください。

まとめ

腱鞘炎は、赤ちゃんを抱っこしたり、家事をしたり、頑張っている我慢強いお母さんの証拠なのです。しかし、無理をすると育児にも支障が出ますし、痛いと抱っこもできないという悲しい状況になってしまうので、できるだけ痛みをひどくさせないように負担を減らすことが一番です。サポーターや抱っこひもを利用したり、家族の手助けをお願いしたりして、できるだけ頑張りすぎないようにしましょう。shutterstock_163940906

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