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紫紺の優勝旗は初めて北陸福井へ

センバツが決した。

 

決勝戦は両チームとも拙攻が随所にみられた。

 

特に東海大四高は、

2度のチャンスを一度はスクイズなしでつぶし、

もう一度はスクイズ敢行で潰した。

 

スクイズのタイミングは初球が効果的だ。

 

プレーが一息つき、次打者が打席に入り、仕切り直しには短時間の場面である初球を

いきなりボール先行の作戦を守る側は決断しにくい面がある。

 

 

最初のチャンスの時は、

チェンジアップを拾って外野の前に落として出塁したランナーを

次打者で送る構えを見せながら打者有利のカウントを作り、

一転バスターでノーアウト1,2塁として、送りバントでワンアウト2,3塁とした。

 

ここまでの攻めは見事で理想の形だ。

 

この後、初球スクイズをすれば、拍手の見事な攻撃だった。

 

しかし、打たせてツーアウト。

続く打者も凡退で得点なしに終わってしまった。

 

次の回はセンターが捕れる球を落としてノーアウト2塁として

送りバント。

 

2塁ランナーのスタートが遅れて、楽にサードアウトのタイミングだったが、

3塁手が落球してチャンスが広がる。

 

ちなみに

この落球に敦賀気比の3塁手は猛抗議していた。

 

つづくスクイズで

三本間でタッチした際、そのランナーにかなり大声で威嚇していた。

 

私には

「ふざけんなよ」とか「ざまあみろ」

のような意味のことばをかけていたように見えた。

そのスクイズも初球にやれば決まったものを

ワンストライク後の2球目に敢行して失敗している。

ワンストライクからではバッテリーに余裕ができるから外しやすいのだ。

 

この場面は勇気をもって初球にやるべきだった。

 

前の回とこの回で

2点は取ることができていたものをつぶしてしまい、

自ら、勝利から遠のいた。

 

高校野球でスクイズを外されるというのは監督にとっては恥ずかしいことだろう。

 

人生経験が高校生より遥かに長く、

指導するという立場の監督が出したサインを

高校生バッテリーに読まれてしまうのだから。

 

両チームの監督も私より若い人がやっていた。

 

高校野球を導く立場にある最高峰の人たちが、

もう私より若い人になってしまった。

 

敦賀気比も拙攻によりチャンスをつぶしていたが、

昨日、2打席連続満塁ホームランのラッキーボーイ・松本の

2試合連続ホームランで勝負を決めることとなった。

 

両チームとも昨年優勝した平安高校のような洗練さは感じられず、

試合のレベルとしてはさほど高くはないものだった。

 

ところで

2打席連続ホームランを打ち、

さらに2試合連続3本ホームラン打った松本は

背番号17で6番バッター。

 

2打席連続ホームランの清原、元木、松井、中田といった選手はみな、

高校NO.1スラッガーやチームの主砲であるのに、だ。

 

バットの性能の良さでホームランがよく出るのだと思われる。

 

体が大きくなったこと、研究が進んでいること、

練習と情報が高度になったことも理由にあるが、

一番はバットの性能だ。

 

この優勝で紫紺の優勝旗は

ついに福井へ。
ついに北陸へ。

こう表現することはいい響きだ。

胸に響く。

 

ということはいい文化だから。

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