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東京の秋は早実がサヨナラで制す

東京を代表する伝統校にして超名門の日大三と早実の決勝。

日大三は1929年創立と同時の創部で87年、 早実は、 1905年(明治38年)創部111年。

意外にも秋の決勝で顔を合わせるのは初めてだそうだ。

そして、秋の大会としては初めて神宮の外野スタンドが開放された。

これも清宮人気で多くの観客を動員したからだ。

 

日大三、初回の攻撃。先頭2ベースヒットのあと2番打者送りバントを試みるも

2度ファールのあと空振り三振。バントをファールとしたが、構えからバント体勢と

下手ではない。うまい。

 

日大三の最も良い打者の桜井。コンパクトに引きつけて長打も打てる。

日大三の中でも抜群の実力。

その桜井はこの試合、フォアボールで歩かされてばかりだった。

そして生まれて初めてこんなに三振した清宮。

この2人にかわって、目立ったのが準決勝でホームランを放ち注目される金成。

ホームランを含む4安打5打点の活躍。

193センチの金成の角度がついた打球はパワーで右中間スタンドに入ってしまった。

パワーでもっていったホームランだった。

 

早実の最初の同点は、

先頭がフォアボールのあとパスボール、送りバント、内野ゴロとノーヒットでのもの。

フォアボールのランナーを有効に進めること、

人工芝と金属バットの特性を生かして高いバウンドの打球を打つこと。

大事な戦略だ。

 

清宮の2打席目。

1打席目にスライダーがまったく見えていなかったので2打席目はそのスライダーが頭にある。

バッテリーは外の真っ直ぐで入ってきた。

桜井としてはストライクが欲しかったが惜しくもボール。これで清宮にチャンスが来た。

2球目ワンバウンドになるスライダーを見逃し、ツーボール。清宮には大チャンス。

必ずスライダーが来るのでスライダーが頭を占める清宮は、

3球目のど真ん中真っ直ぐを振り遅れファール。

4球目インローの真っ直ぐにも手が出ない。

平行カウントとなり、どっちの球も待つ清宮に勝負球のスライダーをボール球で来た。

翻弄された清宮は振ってしまい三振。

 

しかし、全体を通して早実はいい攻め。

フォアボールや内野のスキをついての得点。

対する日大三は、おなじみの大型チームでねじ伏せにかかる。

 

早実6回2死からのショートゴロ。

バットに当たった直後に地面につき、大きく弾み、 内野フライのような形になった。

珍しい打球。

ショートは楽に捕って2塁ベースを踏んでいたが、 1塁ランナーの方が速かった。

なんとなくアウトとなったが、このプレーはセーフだ。

 

早実は、1点差に迫った9回は一気に逆転したい。延長になると分が悪い。

無死1,3塁でここまで全くあっていない清宮に期待する。

ボール球のスライダーを投げざるを得ない日大三バッテリーにワイルドピッチが出てしまった。

そして、野村のサヨナラホームランで早実優勝。

9回に2点差をひっくり返した。

清宮は、5打席連続三振。左ピッチャーのスライダーに完全に翻弄された。

 

チームのレベルでは、日大三の方が上だった。

それが接戦になったのは、

桜井のコントロールの悪さと早実が相手の先頭打者を出さない運びをしたから。

日大三としては悔しい敗戦。

やはり野球はピッチャーで接戦にも大差にも変わる。

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