先週からイチローの驚くべき偉業に胸を躍らせ、
もっともっとこの偉業が多くの人に伝播して欲しいという願いからイチローの話題をしてきた。
金曜連載としていたものに戻る。8回目。
前回は、プロでも凡ミスは練習にてつぶしていくという話をした。
その内容はコチラ 2016年6月10日。
他にはこんなケースを目にした。
5月22日の中日-巨人戦。
初回長野がヒットで出塁。つづく2番重信が左中間へはじき返す。
中日のカットマンは3塁へのカットラインをつくった。
カットラインは基本、先のランナーをケアしてラインをつくる。
この場合は、1塁ランナーの長野の進塁をできるだけ少なくさせる。
しかし、この時は、
左中間に飛んだ瞬間、3塁は間に合わないのは明らか。
ショートは二塁へのカットラインを作らなければいけなかった。
たしかに、
ショートが2塁へのカットラインを作った瞬間、
3塁コーチが3塁へ向かう長野にケアしていないと判断し、ホームへ走れと指示を出すかもしれない。
このリスクはある。
だが、このケースではタイミングとして、その危険はないものであり、
さらに走られても、ショートがバックホームすれば間に合うものだった。
そしてショートが2塁へのカットラインをつくれば、これだけで打者走者の重信は2塁には行けない。
なにも中継プレーをしっかりとか、素早く行動とかしなくとも
カットラインをつくるだけで走者は迷い、躊躇し、走ることをやめる。
このプレーを果たしてプロは反省するのだろうか。
これを受けてすぐにミーティングを開き、反復練習するのだろうか。
おそらくしないだろう。
プロはそんな集団じゃない。
初回にひとつもアウトがとれない状況でまんまと進塁を許した。
ビッグイニングになったらもうそこで試合が決まってしまう。
小、中、高の未熟な技術のチームは実践で起きたミス、実践で知った野球の展開をすぐに反省し、
どうしてそうなったかを理解し、練習して次々に潰していくこと。
これが経験についての話。前回と今回で経験について記した。
この連載は、
有望な選手が集中する強豪校にただの野球好きが集まった野球部にも勝つチャンス。
をテーマとしている。
これまで勝負を分ける要素を3つとしていた。
ひとつ目が情報。
ふたつ目が経験。
次回はみっつ目。