日刊せみなりーBLOG
願望岩・・
更新日:2010/11/12
夕暮れが4時という遠軽町の建物調査は、頑張って朝早くから調査を開始した。
『よく終わったね、みんな頑張ったね~』
最終日午前11時30分調査予定全て終了!
『でも、毎朝1時間早く始めたから終わったんだね、五日間で5時間!
昼から5時間は仕事を出来ないから、普通にやっていたらもう一日かかった。』
防寒着を脱ぎながら、助っ人I君はホッとした様子。
『まずはご飯を食べてから帰ろうか・・』
総勢6名は二台の車に乗り込み、いざ“えんがる食堂”へ・・
この“えんがる食堂”は町の第三セクター、中々美味しい食堂だ。
『チキングリル二つ!』『ブタ丼一つ!』『ミックスフライ一つ!』『カツカレー一つ!』
そして、むつみさんは『ビーフシチュウ一つ!』
パクパク食べながら窓の外を見上げれば、断崖絶壁の山の上に東屋が見える。
『私、網走に行く時 いつもあの東屋が気になっていたの、遠軽町出身の友人に聞いたらあんな絶壁に東屋が建っているのに柵がないんだって、チョコッと寄り道したいな~』
と、みんなに頼んだら、『いいすよ~』
ご飯を食べたら、早速出発~
車は、太陽の丘公園を通り過ぎ、急な坂をグルグル上がる。
『結構高いね』
ミズナラ、カシワが生い茂る山の上・・
舗装が途切れた道路にポツンと看板があった。
“この上には柵がありません。転落に注意!”
『ホントだ!柵がないって書いてある~』
みんなでワイワイガヤガヤ・・大した期待もしていなかったみんなだったが・・
『あああ!本当に先っちょに東屋!柵が無い!』
まさに断崖絶壁!!!!!
『俺、尻の穴 いてえ~』は高所恐怖症のラガーマンM君・・その割にはよく覗いている。
『みんな、近寄らないで・・落ちるから!帰るよ、もう帰るよ!』
言いだしっぺのむつみさん、凄い高所恐怖症なのだ。
(なんで、来ようなんて言ったんだろう~)
『すんげ~すんげ~』
高所恐怖症とは無関係のホンワカH君、ビベロYちゃん、早起きO君、助っ人I君は、東屋が乗っているコンクリート基礎の上に立ち、下を覗いている。
『止めなさい!落ちる!』
みんなはへらへら笑いながら、東屋の横にある展望台の屋上に上った。
むつみさんは、階段の途中で足が動かなくなり、
『帰るよ~帰るよ~背が高い人は柵から落ちるから気をつけて~』
展望台には柵があったが、腰までだ。
『背が高い人は落ちるんだって~はははははは』
みんなで、馬鹿にしているが、そんなことは構っていられない。
『かえるよ~』と叫びながら、恐怖で心はいっぱいだ。
思い出しても、(あああ~怖い!)
久しぶりに味わった腰抜け恐怖だった。
この気持ち、高所恐怖症の人でなければ分かるまい。
そう、そうなのだ・・自分でなければ、わからないのだ・・
なんて、ぶつぶつ言いながら、ふと 思った。
他の人にも何か、別の恐怖心があるかもしれない。
今回のむつみさんは自業自得だからしょうがないが、知らずに誰かに恐怖な事を強制していないかしら・・・
恐怖心で、心が優しくなったのか 何か反省しきりだ・・・
それにしても、なぜ遠軽町はあの東屋に柵をつけないのだろうか、不思議だ。
それは願望岩・・地上から78メートルの高さだという。