中途半端は負け戦、手段が伴わなければ死。「冬薔薇」「峠 最後のサムライ」

具体的な手段がないと、状況は変わらない。
先週は、そんな映画。
冷徹に突き放した視点&ロマンチックな美化の豪華2本立て。
ま、結局、視点はどうでも。
愚かだと死ぬしか方法がない、という現実を描いてました。 

 
プロジェクトに参加していると、致命的な技術力不足に出会うこともよくあります。
悪いクセでちょっと慌ててしまいました。
対策はある。けれど荒療治は不可避。合意に到るかは来週。
 脱力し合理に従えれば道は拓け、
 メンツや根性論に落ちれば詰み。
まあ、選んでもらうしかないのですが。。
 
昔ならもっと、感情乗せて、もっと慌ててました。
システマやってませんけど、
無駄に感情乗せずに波を伝え、ダメージは脱力で抜く。
そんな姿勢で臨みます。

思いの強いパンチは、中に入らない。
思いは乗せない。
 
 
 
「峠 最後のサムライ」

その一言に尽きるなあ。日本人の悪いところ。テーマとしては。
 
冒頭ちょっと嘘がある。
戊辰戦争は大政奉還後というだけでなく、江戸城無血開城の後。
幕府に忠義といっても、総大将はとうに降伏してしまっている。
最後の将軍が徹底抗戦すると言うなら、いざしらず。
もう戦うべき大義名分は既に無い。
 
永世中立国を目指すなら、会津に与してもいけない。
維新軍に対しても、そう宣言してから、評価されろ。
 
近代化を目指したような劇中での說明セリフはあるが、
近代化に功績を残したとは言い難い。

サムライというのであれば、
せめて長岡城陥落で、自害しているべきでしょう。
大敗して落ち延びてからカッコつけられても、
総大将の在りようではない。
山口多聞の方がよっぽどサムライ。

河井継之助の美化の仕方に、まったく同意できない。
いたずらに被害を広げただけだもの。
交渉材料なく主張を通そうというが、そもそも無策過ぎる。
彼はドリーマーであり、実務家ではなかった。
死ぬるときには死ぬようにと、難を避ける知恵は無かった。
日本の一番ダメなとこ。
 
 
映画作品としては、ダイジェスト感が強く、
もっと脚本の整理が必要だろうけど、
 
現実を受け入れずに精神論で美化してしまう。
脈々と続く日本の弱点を、描き切ったという点では、
逆に評価すべきなのかもしれない。
 
序盤寝そうになるが、
美しい本格時代劇を大スクリーンで観ることは堪能した、
ただ言葉は、あれが正しいのか分からない。ちょっと違和感。
慶喜将軍は、
「国民」「政権」「責任」という言葉を使うのだろうか?
英明な人で、近代の概念を理解したというけれど、
近代語が軽々しく聞こえる。
 
幕末の長岡の言葉と、学習して敢えて近代語を用いるところ。
その使い分けはもっと明確にして欲しかった。
衣装や美術に比べて、セリフへのこだわりが浅い。

セリフが不自然な映画は、いい映画とは言えない。
監督は黒澤監督の弟子で、晩年の黒澤映画もそうなんだよなぁ。
いろんな意味で、日本の凋落を描いて、つきづきしい。美しいけど。
 
 
 
「冬薔薇」 

今の独立系の日本映画だと、もうちょっとエンタメに寄せる。
ジャームッシュみたいな日常系は、逆に珍しい。
  
「どついたるねん」の坂本順治監督が、
伊藤健太郎にインタビューして構想を得て、
オリジナル脚本で映画化。原作なしも最近では珍しい。
  
他人への影響や、他者の心情が理解できない。
発達障害的な形質が、伊藤健太郎本人にあるんじゃないかな。
劇中は、私の(元)父親を観ているようでした。
あれだと、
自分の言動に対する自覚はできず、責任観念は育たない。
  
母親役の余貴美子もそれっぽい。
甥っ子の坂東龍汰は明らかに精神に問題を抱える役。
発達障害的な特性は遺伝として、描かれている。
 
坂本監督は言及は避けているが、
明らかに意図的に、社会不適合的なDNAを描いている。
 
 
(元)父親は、あの手札で、
犯罪者にならず人生を全うしたのなら、
むしろ称賛されるべきなのか。
思ったこともない、知覚を得た。
 
公の席でも家庭でも、
他人を傷つける無神経な発言をしても、それと気づけない。  
そんな姿を思い出しました。
 
 
あの環境で、その遺伝子なら、
まあ犯罪者しか職はないかもしれない。
身を立てるための手段を、自分で獲得するだけの、能力はなさそう。
 
あまり人間関係が難しくなく、
高度な判断力を必要としない職が見つかるといいのだが、 
 
何にしても、覚悟がないとね。
劇中、中途半端な決断できない人ばかり。
逆に、何もこだわりのない自由な石橋蓮司が特異点で、
コメディ役も一手に引き受けている。
 
毎熊克哉の役は最後、唯一決断をして港町を去る。
事件がむしろ良い方に働いたのか、
強い緊張が最後、よいリラックスを生んだか。
自分の決断が出来てよかったね。
 
覚悟ないやつは、流されて落ちてくしかないね。
それを冷徹に観客に突きつける、迎合しない作品は久しぶりだ。
努力とか精神論とか一切要らない。
 
「友達じゃないし」と突き放す劇中の良いセリフ。
ダメなのはただ切ればいい。
斯く有りたしと思った次第。
 
独立系でも希少な存在。
 
 
 
先週はちょっとだけ買い増しました。
今週は、ボリンジャーバンドの帯抜けての下落あるのかどうか、
それならそれで、落ち着いたところでまた買うつもりです。
 
黒田総裁は、
 引くに引けないのか、
 まだタイミングでないと判断してるのか、
退任まで口先介入のみで、このまま乗り切ろうとしてるようには見えます。
良くも悪くも、物価上昇と円安は実現したわけですので、
終始一貫の幕引きになりそうです。

ゆで卵を冷やしても生卵には戻らない。
不可逆という概念を昔習った。
 
降伏して武装解除して、戦争が終わったのであって、
闇雲に武装解除すれば、戦争がなくなる訳ではない。
 
経済活動の活発化がインフレや賃金上昇を引き起こすが、
インフレにすれば、経済活動が活発になるのだろうか、
悪いインフレとは笑止。なにを今更。
ともかくも、戦争のおかげでインフレは実現したのだから。
いまさら批判してもね。
 
 
外的要因のため、評価下げてるなら、
私は、実力あると信じてる企業は買っておこう。
そうでないものと手を切るのも訓練のうち。

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