お盆が明けて、今日から工房はまたフル稼働です。今朝は初秋を感じさせるような雰囲気でしたが、風がとても強く吹き荒れています。穏やかな陽気になってほしいですね。
工房では、レスター、モデルNo.200のハンマー交換作業をしました。
たくさん弾かれていたのがよくわかるハンマーの状態でした。ハンマーさん、お疲れ様でした。
作業はまず、元々のハンマーとシャンク(ハンマーに付いている木の棒)をハンマーバットという部品から抜きました。
基準となるハンマーだけを残します。ハンマーが無いとなんだか滑稽です。
こちらは新しいハンマーシャンクの選定。金属板にシャンクを落として音を聞き、音の高さごとにグループをつくります。低い音のグループは低音に使い、高い音のグループは高音に使います。
下の写真は下刺し(第一整音)といって、ハンマーフェルトに針を刺して音色の土台を作っています。ハンマーのメーカーによって針を刺したときの硬さが異なるのですが、その違いを楽しむのも面白さのひとつです。因みに今回のハンマーはドイツのレンナー社のものです。
下刺しの次はファイリング(ハンマー整形)をしてハンマーフェルトの形を整えます。手作業で1本ずつ形を整えていきました。
そしてハンマーの接着に入っていきます。こちらはハンマーとシャンクの接着。
接着剤はニカワを使い、1本1本着実に接着していきます。
その後は場所をピアノ本体での作業です。ハンマーとシャンクの接着が完全に乾いたら、ハンマーバットにハンマーを着けていきますが、まずはハンマーの高さなどを調整します。
何度も定規をハンマーに当てて高さを微調整して揃えます。後々の音色に関わる大事な作業です。
準備が完了したら接着に入ります。変に接着していないか確認しながら、ハンマーとシャンクの接着時同様、集中して行います。
真新しいハンマーに交換する作業ですが、この作業には下準備や様々な工程があります。接着後のハンマーで音が出た時はとても嬉しいです。今度はこのハンマーでたくさん弾いていただきたいと思います。
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