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映画『蜜蜂と遠雷』ネタバレ・あらすじ・感想。

学と音楽と映画が、華麗なるハーモニーを織りなした。

『蜜蜂と遠雷』
監督の超一流の腕と、
役者の素晴らしき演技力。
監督:石川慶
出演:松岡茉優松坂桃李森崎ウィン

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予告編

 

 

解説

 
松岡茉優、松坂桃李、『レディ・プレイヤー1』の森崎ウィンら共演で、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説を、実写映画化。

松岡が亜夜を演じるほか、松坂桃李が明石、森崎がマサルに扮し、映画初出演の新星・鈴鹿央士が塵に抜擢。

『愚行録』の石川慶が監督・脚本。

蜜蜂と遠雷

恩田陸 (著)

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2019年製作/119分/G/日本
配給:東宝

 

あらすじ

 
ピアノの天才達が集う芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニスト、栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。

母の死がきっかけでピアノが弾けなくなっていた、かつての天才少女・栄伝亜夜は、7年の時を経て再びコンクールへの出場を決意。

音大出身で現在は楽器店で勤務する、コンクール年齢制限ギリギリの高島明石は、家族の応援を背に最後の挑戦に。

名門ジュリアード音楽院在籍中で完璧な演奏技術と感性を併せ持つマサル・C・レビ=アナトールは、優勝候補として注目。

そして、パリで行われたオーディションに突如現れた謎の少年・風間塵は、先ごろ亡くなった世界最高峰のピアニストからの「推薦状」を持っていた。その凄まじい演奏で見る者すべてを圧倒。

熱い戦いの中で互いに刺激し合って、葛藤しながらも成長していく4人の行く末は・・・。

 

感想

 
映像化不可能と言われていた恩田陸さんの同名タイトルの小説を見事に映画化したわけだけど、「この小説版ってもっと難しいんじゃないの?」と思った。

小説は未読なんだが、映画を観た感想は「どうやって小説で描いたの?」という逆説的な印象。

裏を返せば、それほどまでに映画の世界観がお見事であった。しかも「小説による台詞」みたいなものは感じられなくて、音楽と映像、役者さんの演技での完成度があまりにも高かった。

ピアノコンクールを舞台にして、それぞれ4人の若者を描いた物語で、この二時間でよく描いたと思う。決して深く描かれているわけではないけれど、役者さんの演技で「人物像の背景」がキッチリと見える。監督の腕が凄いというのは、もちろんとして。

初めて映画館で予告編を観た時は、「また美男美女を起用しやがって」と思ったが。こんな美男美女の四人がピアノコンクールで争うなんて非現実である。嫌悪感はあったが、この物語を演じる役者さんは清潔感や品があることは大事だし、知性もありルックスが良いというのも必然なのかもしれない。

また役者さんの起用は、劇中で演奏するピアニストの方々を先に配役してから選んだそうだ。

役者さんも皆素晴らしかったので、キャスティングも映画を実際に観て納得した。

文学と音楽が奏でる旋律は、小説の文字が楽譜から飛び出して踊っているように見えた。

また劇中には幻想的なシーンがあって「馬」が登場するのだが、その映像がすこぶる美しかった。一人のピアニストが舞台に上がることを決意して駆けて行くシーンは、美しい馬が走り出していく疾走感を彷彿させて、舞台の上で見事に躍動する。

文学においても、音楽においても、映画においても、石川慶監督の超一流のクラシックは、あまりにも良く出来ていた。

無駄を省いて、音楽のように、静けさと盛り上がるサビの部分を美しく奏でた物語。

 

芸術的でありながら退屈しないエンタメ作品に仕上げていることも好印象であり、かなりレベルが高い作品であるといったところで「カット、カット」。

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