2022年2月号「展示会の準備について」-前編-

皆様はじめまして、会友の酒井と申します。今回、ご縁があって、Facebook星景写真部の有志による展示会の準備に携わることができました。今後さらにインターネットにより映像共有が普及しても「写真」にかかわる以上、あちこちで開催されるであろう様々な展示会について、自分が主体的に関わることで楽しみ方の幅が広がったと感じたことから、準備に関する情報を、自分のノウハウの整理と、これから展示会に興味を持たれた方の一助となるよう、忘備的に書き留めておきたいと思ったことをコラムとして発表したいと思います。

1.準備開始

モデレーターグループで、コロナ禍も落ち着いてきたので、そろそろどうかなという声が上がり、こんな会場があるからと下調べを開始する約束をしました。

成り行きというかノウハウも覚悟もなく「やれたら楽しそう」という一点で盛り上がって、勢いでスタートしました。

2.会場を決める

心当たりのある会場を下見、事務室を訪問して借り受け条件を確認して皆さんにお知らせ、祝日と土日が連なる日程で、平日の在廊者なしは良くないということで、休日オンリーでの開催という方向性について確認をしてまずは準備を進めることにしました。

その後、会場借り上げできる空き日程を確保、仮予約で固めてチームへお知らせをし、主要なメンバーで肚固めしました。会場候補地で集合したチームの皆さんと、それまでSNSの書き込みやWEBミーティングでしかお会いしていなかった皆さんと、現場にてお顔合わせができて、不思議なご縁を感じつつ、いよいよ、展示会が現実になっていくのだなという高揚感がありました。

3.上限の作品点数を予測して予算を決める

モデレーターチームで借り受けする予定の展示室を下見して、会場の建物にある喫茶室でミーティング、準備について本格化させる流れの確認をしました。会場が広く大きな展示でもかなりの数を飾れると踏んで、壁の広さから40点を上限として募集を開始、要領はノウハウのある部長さんに作っていただくことにしました。

会場借り上げ費はお値打ちで、同時にプリントやパネル加工費は下調べ済み価格で、広報チラシ等間接的な経費もイメージして、一人当たりの参加費を決定しました。

4.作品を集める

募集要領のを部長さんに作成してもらい、SNS上で告知して募集開始しました。

星景写真部での告知で続々申し込みが集まり、最終的には23点がエントリーすることとなりました。3日間だけの展示会に、多くの方から魅力あふれる力作で応募してもらえて、かなり嬉しい気持ちになりました。全部並ぶとすごそう!とやる気が上がりましたが、ここからが素人仕事の危うさ身体で覚えるモード全開の始まりでした。

5.参加費を集める

遠隔地の皆さんもあり、身近というわけでもないため、振込送金による呼びかけで、期限を設けて個人の通帳へ振り込んでもらいました。集まったお金でパネル作成やチラシ作成に充てることが目的ですので、最終参加意思確認も送金をもって確定という扱いでお知らせをし、期限までに余裕をもって集金完了できました。参加者の皆様の気持ちの良いご協力にこれまた良き仲間に恵まれているという感謝の気持ちでいっぱいになりました。

6.チラシを作る

いよいよ、展示内容も固まり、お金も集まったので、チラシの作成にかかります。自分にはレイアウトセンスなし、技術なしなので、有志部員さんにパワーポイントで作成してもらいました。デザインは、準備実務に携わる5名の展示作品をならべた形にしようと話し合いで決定し、あわせて、出展者の氏名の並べ方や展示会の名称を皆で悩み、会場のオープン時間のお知らせの表現の方法や、会場の案内図は施設パンフからの転載許可を得るなど、意見交換してより良いチラシにしていく過程で、結構考えることが多く、「チラシ侮りがたし」という思いを強く持ちました。

そして、有志の実行委員の力をあわせた作品とも言うべきデーターを業者さんへの印刷依頼に耐える形式で入稿し、配布想定を立てて印刷しました。

同時に、完成したチラシデザインをFacebookやInstagramに掲載したり、実行員会メンバーの個人的につながりのある方にそれぞれ個別営業的にお声かけをしてもらい、来場約束を取り付け始めました。

7.本格的に宣伝を始める

ここにきて、チラシを置く場所で、準備不足を露呈、これまで募集期間中に営業しておけばよかったものを、チラシの刷り上がりにあわせて配布先を考えて、愛知県名古屋市の公共的な施設に配架しようとあちこちに相談をかけてみたら、一方的に送り付けても、行催事の数が多く、チラシを置く場所があまりないから、県や市と共催か後援名義がないと、並べてもらえる可能性が極めて低いことがわかり、急遽、後援名義を獲得できないか行政の担当部署を探すことから始め、その調整に骨が折れました。この経験で企画段階での準備が大切だと骨身に染みる思いをしました。

なんとか、後援名義の申請窓口をみつけて、刷り上がったチラシやFacebook星景写真部の活動についての解説資料を添えて申請し、ようやくに名古屋市教育員会の後援名義を得たのが開催3週間前という状況でかなり焦りました。

困ると助けて下さるかたが、必ず現れる~本当にチームに恵まれました。複数の参加者さんから、お顔見知りを介して複数の施設への配架について、特に名古屋市科学館プラネタリウムや半田空の科学館はじめ、天文ファンの集まる施設への前向きな配架協力を取り付けることができ、あわせて後援名義の獲得で図書館や公民館など施設へのチラシ配架依頼をまとめて郵送送付できて、ちょっぴり安心できました。

また、報道機関へ事前告知や取材協力をお願いするべく、県政と市政の記者クラブへの資料提供もいたしました。これも参加者さんのお一人から情報をいただき、県民市民の資格でマスコミに情報提供できる仕組みがあることを初めて知り、これも今後の参考になると思いました。ただ扱ってもらえるか~は、やはりハードルが高いと感じていますが、開催まで働きかけの努力はしてみようと思います。

(3月号に続く)

著者 酒井 雄一(さかい ゆういち) 名古屋市在住
所属 Facebook星景写真部 モデレーター
URL https://www.instagram.com/y.sakai.u1/