「平等」という言葉は、
みんなが同じように扱われるという印象を与え、
聞こえが良く、心地よく感じる人もいるかもしれない。
社会主義の考え方として取り上げられることもあります。
一方、良く似た言葉で、「公平」という言葉があります。
これは、「えこひいきしない、一部だけに手厚くしない、偏らない」と
ともすれば「平等」と同じような意味に聞こえますが、
「平等」と「公平」には大きな違いがあります。
たとえば、平等というのは、全員同じように配分することで
食糧の配給などがそうですね。
今はメニューが選べたりするようですが、
昔の学校給食は、体の大小や男女関係なく、
全員が同じメニューで同じ量という「平等」な食事でした。
極端な話ですが、学校で何もしない人も
頑張って勉強した人も「平等」に同じ食事にありつけます。
これに対し、「公平」というのは、
時給900円で5時間働いた人は、4500円の収入、
同じ時給でも10時間働いた人は、9000円の収入、
という風に、「一定の基準」で評価された結果が偏りなく反映されるものです。
よく「不公平」という言葉が飛び交いますが、
これは、「一定の基準」が「公平」ではない場合に当てはまります。
たとえば、先ほどの例で、
5時間働いた人が9,000円を得たりすると金額は平等に配分されていますが、
「不公平」と言われたりします。
ただし、労働の場合、生産性の問題が直結するため、
厳密に「公平」な判断をするのは困難です。
同じ仕事を5時間で終わらせるAさんと、
10時間かかってしまうBさんがいて、
上記の例だと、Bさんのほうが収入が多くなってしまいますが
会社にはAさんのほうが貢献しています。
この辺りの評価が非常に難しい。
残業代のためにダラダラと仕事をしている人のほうが
収入が多いとなると、定時内に頑張るのが馬鹿らしくなったり
モチベーションにも影響します。
通常は、人事考課やボーナスでカバーすることが多いのですが、
いずれにしても、公平性を保たなければ組織は成長しませんね。