[試合研究]J2第36節岡山対富山から[3-3-3-1]システムを読み解いてみる


・2010J2第36節岡山対富山(2-1○)
いよいよ残り3試合。
早速、試合を見ていきたいのです・・・・がっ!この試合は[3-3-3-1]システムではありませんでした(苦笑)。
前節から中二日での試合ということもあり、CBをつとめていた堤、濱野のコンディションが芳しくなかったようで、さらにCB足助も左手の骨折で欠場・・ということで、3バックをするためにはCB不足だったのが理由のようです。安間監督自身、もともとシステムに固執するタイプではないですから、チームの状態を見て判断されたのでしょう。4バックで、その前に江添をアンカーに据える[4-1-4-1]のような形でした。
富山は[4-1-4-1]       20.苔口
15.石田          7.朝日
    8.渡辺    5.長山
       22.江添
16.谷田  4.金  24.吉井  19.西野
      
       1.中川
 対する岡山は、[4-4-2]ボックス。GK真子、DF澤口、野本、近藤、野田、MFキム・テヨン、千明、川原、小林、FW岸田、白谷。
 試合自体も富山としてはやや動きの少ない戦いに感じました。岡山がボールを保持すると、富山はあまり前から奪いに行かず、自陣でブロックを構えて、奪ってカウンターという狙いですね。形としては、DFラインの背後を狙う攻撃が中心。17分には、その攻撃から石田がボールを落とし、斜めから切れ込んだ苔口がDFを振り切りシュートという場面も。惜しくもポストに嫌われましたが、苔口のいい動き出しでした。
 23分、ゴール前のセットプレーから富山が先制。苔口のキックに、金の落としを江添がボレーで決める形です。1点リードしたことで、岡山がポゼッションして、それを富山が受けるという構図はより強まりました。自陣で構える富山の配置は、4DF+4MFの2ラインでブロックを形成し、その間にアンカーが一人置くような形なので、堅い。4バックなので、もちろん[3-3-3-1]に比べると、サイドにボールを出された時のアプローチも早い。このまま1-0で前半終了。
 後半も、この構図はしばらく変わらず。ただ富山は攻守の切り替えは早いです。奪ってからのカウンターの怖さは十分。56分には、カウンターから苔口から朝日で、そのシュートがサイドネットに。
 66分、ゴール前正面のFKを小林優希が決めて、岡山が同点。しかしその5分後、苔口のCKに、競り勝った金のボールはポストも、その跳ね返りに江添がプッシュ。先制点同様、苔口、金、江添という流れで、富山が2-1とリードします。岡山の猛攻を受け、試合全体を通じても、崩される場面も目立ちましたが、富山守備陣が身を呈してのブロックで防ぎ切る。富山が2-1で勝利。
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 この試合は[3-3-3-1]システムではないですし、戦い方も中二日の連戦を考慮した「緊急処置」的なものだったと思います。チームは「生き物」ですし、選手は「生もの」ですから、こういう事態にどう対処するのかという舵取りも、指揮官には求められますよね。得点もどちらもセットプレーからでしたけど、まぁ、そういう試合をしなくてはいけないときもありますよ。
 この試合後のテレビインタビューで「今現在は、美しいサッカーはできないが、ひたむきに汗をかいて、アグレッシブにやろうと言っている」と安間監督が語っていました。勝ち慣れていないチームが、連敗をせずこういう状況で勝ち点3をしぶとく取ったことを評価したいと思います。
 残りはあと2試合です。
【J2:第36節 岡山 vs 富山】安間貴義監督(富山)記者会見コメント [ J’s GOAL ]

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