勝利をもたらすようなことを何もせず
マンチェスター・ユナイテッドはトッテナムに敗れて再びノースロンドンで痛い目にあった。
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ファン・ハール監督は打つ手全てが勝ちにつながらなかった
2名の守備的MF。プレーメーカーとしてWG(リンガード)を起用。WGとしてプレーメーカー(マタ)を起用。そしてWG(ヤング)を最前線に。WBA戦のように、ファン・ハール監督が下した決断はフットボールの試合に勝利する上で、望んだような好結果をもたらさず。
常識はファン・ハール監督にとってあまりにも一般的すぎるようだ。ヤングを投入させた時点で、アントニー・マルシャルを最前線にする選択肢もあった。あるいは、マーカス・ラッシュフォードをそのまま使い続ける選択肢もあった。先週の試合の前半に散々なパフォーマンスを披露したマルコス・ロホを起用したが、先発落ちの候補だった。
ワトフォード戦が最後のファーストチームでのストライカー起用であるヤングについてどう思っていたのか、プレミアリーグで最高の堅守を誇るスパーズ相手に何が出来ると思っていたのか?不可解な決断であり、監督の人事が議論されうる采配だった。
ラッシュフォードを代えるに都合の良いタイミング
キャリア10試合目となったラッシュフォードは前半で引っ込めさせられた。リヴァプール戦でラッシュフォードを下げたことは戦術的なミスだったことを認めているが、スパーズ戦での交代のタイミングは言い訳しやすいタイミングだったように思える。
ウェイン・ルーニーが再びフィットしてきており、ファン・ハール監督はこれでウエストハム戦かアストン・ヴィラ戦でキャプテンを起用しやすい状況になった。ラッシュフォードはここ10試合連続で先発しており、ここで休養を与えられるかもしれない。だが、ラッシュフォードを下げて入れた選手の起用は奇妙で、もっと色々と選択肢があった。
ヤングは…マタかリンガードと変えるという選択肢もあったし、そうすべきだった。マルシャルでさえ、ラッシュフォードが即興のトリックで抜き去ったカイル・ウォーカー相手に苦戦していた。
フォス・メンサーはRSBに適応出来ていた
U-21では中盤として重要な選手だが、ティモシー・フォス・メンサーは4試合出場したファーストチームではDFでのみ出場している。
おそらく今シーズンのリザーブでの印象的な貢献は6-1でレスターを玉砕した試合でニック・パウエルのゴールを生み出した走りとクロスだろう。フォス・メンサーはLSBでファーストチームでのデビューを飾り、CBでもエクセレントなパフォーマンスを披露した。だが、彼のスピードとパワーはプレミアリーグで求められるSBとしての役割に完璧にマッチする。フォス・メンサーが負傷交代した後でスパーズの餌食となったことは偶然ではない。
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来シーズンにはアントニオ・バレンシアの契約が切れ、ギジェルモ・バレラは若く軽率さの残る選手であり、ユナイテッドは夏にRSBを補強する必要がある。フォス・メンサーは18歳であり、マッテオ・ダルミアンは最近調子が良かったが、フォス・メンサーがこの調子を維持できればイタリア人SBよりも序列が上になって補強の話が必要なくなるかもしれない。
リンガードとマタは入れ替えるべき
エヴァートン戦で勝利したという意見や、ユナイテッドにとって最も大きな勝利だったとも言えるシティ戦でこの配置が機能したという意見は幻想だ。
先週、一滴の水も侵入できないような強固な守備のエヴァートン相手にこの両者はほとんど何も出来ず、スパーズ戦でも影響力を及ぼせなかった。マタはファン・ハール監督のもとで4-2-3-1の右サイドで時間を無駄に使っている。
なんでロホが先発?
ユナイテッドのファンはスパーズ戦の前半で「アルヘンティナ」とチャントしていたが、0-0の時点でさえロホは再びアップアップの状態だった。フル出場をついに果たしたのが印象的なほどだった。
アルデルヴァイレルトに高く飛ばれて2点目を奪われており、1600万ポンドでユナイテッドに加入したロホはファン・ハール監督が見誤った戦犯の一人であり、夏に出て行くべきだ。「不愉快」だと評したジェイミー・カラガーの一言が的を得ている。
<元記事:Manchester United manager Van Gaal did everything not to win at Tottenham@Manchester Evening News>
ロホのフル出場、ヤングのCF起用、キャリックのスタメンフル出場あたりは期待にそぐわなかった。
攻撃で考えるならLSBはライリーだと思うし、マルシャルをCFで起用してヤングをLWGにすべきだったし、キャリックじゃなくてエレーラだったようにも思う。
こういうセンスというか、間隔というか、勘の部分も年齢とともに衰えちゃうのかねぇ。
Comment
経験と実績が有るから故に、自分の判断に絶対的な自信が有るのでしょうね。
後は、敵の裏をかいたときの相手の反応の出来無さなんかも狙ってるでしょうし。(W杯のスペイン戦なんかは、その典型例でしょう)
ただ、致命的なのが、戦術が前時代的というのと、スピーディーなプレミアリーグに合致していないという点ですかね。
これだけの老将なら勘というよりは経験が冴えるはずなんですが、戦術家としてやってきた彼の最後なのかもしれません。
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