[歌劇]フランチェスカ・ダ・リミニ(リッカルド・ザンドナイ)

フランチェスカ・ダ・リミニ

フランチェスカ・ダ・リミニ

フランチェスカ・ダ・リミニ(裏)

収録曲 [歌劇] フランチェスカ・ダ・リミニ全4幕 LD2枚組(収録時間:149分)  [イタリア語/日本語字幕]
パイオニア メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団(指揮:ジェイムズ・レヴァイン)  1984年上演

フランチェスカ:レナータ・スコット(ソプラノ)
パオロ・マラテスタ(マラテスタ家の美貌の青年):プラシド・ドミンゴ(テノール)
ジャンチョット(パオロの兄):コーネル・マックニール(バリトン)
マラテスティーノ(パオロの弟):ウィリアム・ルイス(テノール)
ガルセンダ(フランチェスカの侍女):ゲール・ロビンソン(ソプラノ)
ズマラグディ(女奴隷):イゾラ・ジョーンズ(メッゾ・ソプラノ)
オスタジオ(フランチェスカの兄):リチャード・フレドリクス(バリトン) 他

第一幕

13世紀の後半。ラヴェンナのポレンタ家の宮殿の中庭。侍女たちが遊んでいるところに道化師が来て、ヴィオールを弾きながら「やがて日は明け染めぬ。マーク王と優しきトリスタンは・・・」とトリスタンとイゾルデの物語を歌い始める。そこにフランチェスカの兄オスタジオが法律家トルドと現れるので侍女たちは去り、道化師はマラテスタ家から来たのではないかと疑われるが、何も話していないというので放される。オスタジオは道化師を噂を振りまく者とみなし嫌っている。オスタジオは、政略のためフランチェスカをマラテスタ家の長男ジャンチョットに嫁がせようとするが、ジャンチョットが醜いので、妹は承知しないだろうと困っている。そこでトルドは使者に来る次男のパオロが美男だから、彼と思わせて結婚させてはどうかと言い、オスタジオもうなずく。2人が去ると、フランチェスカが妹サマリターナや侍女たちと現れる。フランチェスカは、姉が結婚すると淋しくなると泣く妹を慰めている。そのときパオロが到着する。女性たちは遠く通るパオロを見て、なんと美しい人と讃える。妹は恥ずかしがる姉を彼の前に連れて行く。フランチェスカとパオロは互いに相手の美しさに魅せられ、無言で見つめ合う。侍女たちが5月を讃えるマドリガルを歌う中、フランチェスカは傍のバラの花を一輪摘んでパオロに贈る。

第二幕

アドリア海を眺むリミニのマラテスタ城の塔の中。教皇派のマラテスタ家の兵士たちが皇帝派の攻撃に備えて戦いの準備をしている。フランチェスカが夫を探しに来るが、部下はまだ来ていないと応える。そこにパオロが上がってくる。フランチェスカを見たパオロは、結婚相手を自分と思い込んで政略結婚させられた彼女に言い訳をする。その時、鐘が鳴り、戦いが始まる。パオロは自分の兜をフランチェスカに与え、彼女の傍で死ぬなら本望だと言うと、彼女も私を欺いた罪は許すと叫ぶ。激しく矢が飛び交い、一本がパオロの頭をかすめる。フランチェスカは危険も忘れ、驚いて駆け寄り傷に触ると、パオロは秘めていた愛を認め、二人は抱き合う。その時、歓声が上がり、ジャンチョットが現れ「腑抜けども。人殺しども。敵はみなアラサ川に放り込んでくれる。」と勝利を告げ、弟の手柄をほめてフィレンツェの隊長に選ばれたと知らせる。フランチェスカが勝利を祝い、ジャンチョット、パオロにワインを注ぐ。そこに片目を失った末弟マラテスティーノが抱えられてくるが、怒った彼は眼帯をして敵を追って行く。兵士たちが勝利の叫びをあげる中、幕が降りる。

第三幕

トリスタンの物語の絵で飾られているフランチェスカの寝室。フランチェスカは侍女たちに本を読んで聞かせるが、心が落ち着かず、女奴隷ズマラグディに、戦いの日にブドウ酒を飲んで以来、魔力にとりつかれたようだと言う。ズマラグディは主人の内心を知り、ジャンチョットとマラテスティーノも不在なのでパオロ様を呼んで来ましょうかと尋ねるが、フランチェスカは、マラテスティーノの目が恐ろしいと答える。侍女たちが楽士を連れてきて歌い踊る。ズマラグディがフランチェスカの耳元で何やら囁いている。フランチェスカは「夕べの祈りの時間まで、皆散歩に行っていて頂戴。」と侍女たちを下がらせる。ズマラグディがそっと、パオロが来たことを知らせる。パオロは「こうしてやって参りました。帰国のご挨拶を・・・。」と言いながら、フランチェスカに思いを打ち明け、彼女も愛を隠しきれない。次第に暗くなり、別室から侍女たちの春の訪れを喜ぶ歌が聞こえる中、二人は騎士ランスロットとグィネヴィアの愛の物語を読み始め、接吻の場面に来た時、情熱的に口づけし抱き合う。

第四幕

(第一場)城内の八角の部屋。マラテスティーノがパオロとの関係をほのめかしながら「あんたをきっと、俺のものにしてみせる。」とフランチェスカをおどしている。その時、地下牢から呻き声が聞こえる。「あれはだれ?」とこわがるフランチェスカに、「ジャンチョットは今夕ペザロへ旅立つ。別れの食事に飾ってやる。」と言って、マラテスティーノは斧を手に地下牢に降りてゆく。フランチェスカが急いで扉の錠をかけたとき、夫が現れるので、マラテスティーノの様子が変だと訴える。地下から悲鳴が聞こえ、マラテスティーノが戻ってくる様子なので、フランチェスカは、彼に会いたくないと夫に言って部屋を出て行く。囚人の頭を入れた血に濡れた袋を持って出て来た弟に、ジャンチョットが、なぜ妻に変なことをすると叱ると、彼女とパオロが裏切っているからと答える。怒って斧を振り回し、もしそれが嘘だったら殺すぞという兄に、マラテスティーノは出発を延ばし、今夜逢引きの現場を一緒に押さえようと言う。

(第二場)フランチェスカの寝室。眠っているフランチェスカがうなされるので、侍女たちは不安げに見守る。夢から覚めた彼女は、侍女たちを下がらせる。夫がペザロへ旅立ったと思っているフランチェスカは、パオロを待ちわびる気持ちと恐れとで動揺する。侍女が去るとパオロが忍び込んでくる。二人が時も忘れ、情熱的に抱擁を交わしていると、「開けろ!」と叫ぶ夫の声が聞こえる。慌てるフランチェスカにパオロは、落し戸から逃げたらドアを開けろと言って逃げる。しかし、マントが落し戸に引っ掛かってしまう。それを知らないフランチェスカがドアを開けると、ジャンチョットとマラテスティーノが剣を手に飛び込んできて、パオロを引き戻す。パオロは短剣で兄と争うが、その間に入ったフランチェスカは夫の剣で胸を刺され、パオロの方によろめく。パオロは短剣を手放して彼女を抱き、兄に刺され、二人は抱き合ったまま床に倒れる。

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