[歌劇]秘密の結婚(ドメニコ・チマローザ)

秘密の結婚

秘密の結婚(裏)

収録曲 [歌劇]秘密の結婚全2幕 LD2枚(収録時間:152分)  [イタリア語/日本語字幕]
ドロットニングホルム宮廷劇場管弦楽団(指揮:ヒラリー・グリッフィス) 1986年シュヴェツィンゲン音楽祭で上演

ジェロニモ(金持ちの商人):カルロス・フェレール(バス)
フィダルマ(ジェロニモの妹で未亡人):マールタ・シルマイ(アルト)
ロビンソン伯爵(高齢の貴族、パオリーノの後見人):クラウディオ・ニコライ(バリトン)
パオリーノ(ジェロニモの店で働く若者):デイヴィッド・キューブラー(テノール)
エリゼッタ(ジェロニモの長女):バーバラ・ダニエルズ(ソプラノ)
カロリーナ(ジェロニモの次女):ゲオルギーネ・レジック(ソプラノ)
ジェロニモの従者:ウェルナー・シンドマン

コミカルな家庭劇そのものです。解説を読み進むとオペラ・ブッファと表現してあり、まさにそのものです。このチマローザという作曲家は、モーツアルト時代とロッシーニ時代をまたいで活躍した人なのですね。美しいシュヴェツィンゲン宮殿内にある少し小さめのオペラハウスで演じるに相応しい作品だと思います。パオリーノを歌うデイヴィッド・キューブラー氏(テノール)は当時のシュヴェツィンゲン音楽祭に欠かせない存在のようです。1990年の同音楽祭で上演されたオペラ・ブッファ2作品(「絹のハシゴ」「ブルスキーノ氏」)でも好演しています。

金持ち商人のジェロニモが二人の娘を貴族に嫁がせようと考え、姉のエリゼッタとの縁談を進めるが、相手の高齢な貴族は妹のカロリーナに一目惚れしてしまう。しかしカロリーナには既に恋人がおり、しかも父親に内緒で結婚式まで上げていた。金に目がくらんだジェロニモは、カロリーナに貴族との結婚を迫り、従わないと修道院送りだとすごむ。悩んだカロリーナは恋人(夫)のパオリーノと駆け落ちを計画する。しかし、その先には思わぬ展開が待っていた。

ものがたり(ジャケット解説より)

第一幕。18世紀イタリアのボローニャにある商人ジェロニモの家。ジェロニモには2人の娘がいる。彼は娘たちを貴族と結婚させ、自分の地位が上がることを望んでいるが、次女のカロリーナは使用人の一人、若い法律家でジェロニモの仕事を手伝っているパオリーノとすでにこっそり結婚していることを知らない。ジェロニモに秘密を知られては大変と、恋人たち2人はカロリーナの姉であるエリゼッタを、ロビンソン伯爵と結婚させるよう、ジェロニモに入れ知恵をする。ジェロニモも、フィダルマもその計画に大喜びである。

しかしものごとは、すんなりいかない。伯爵はエリゼッタには全く気がなく、むしろ、一目でカロリーナに夢中になってしまう。カロリーナは懸命に伯爵の熱を冷まそうとするが、一向に効き目がない。冷たくすればするほど伯爵は熱くなるばかり。そして、やきもち焼きのエリゼッタは、自分の婚約者が妹を口説いている現場を押さえたと思い込み、怒りに前後の見境を失って家中の者を呼び集める。婚約の歌の代わりに、家族中の喧嘩で幕が閉じる。

第二幕。ロビンソン伯爵は、エリゼッタではなくカロリーナと自分を結婚させてくれとジェロニモに頼んでいる。伯爵が結納金の半分を用意してきたので、ジェロニモもその計画に賛成する。絶望したパオリーノはフィダルマに彼が既にカロリーナと密かに結婚している、という事実を告白するが、当のフィダルマが実は自分に気があり、第二の夫としたがっていたことは知らなかった。一方エリゼッタは貴族であるロビンソン伯爵と結婚するチャンスを逃す気は全くない。叔母のフィダルマと一緒になって、カロリーナを修道院へ送るべきだと父親に迫る。

いまやこっそり結婚している二人には、その夜駆け落ちする以外に道はなくなった。しかし家を出ようとした瞬間に、エリゼッタの部屋から物音が聞え、二人はカロリーナの部屋に隠れる。エリゼッタはカロリーナの部屋の扉に耳をつけて中の話声を立ち聞きし、妹と一緒に居るのはロビンソン伯爵に違いないと思い込む。もはや秘密の結婚も隠しておけなくなった。こっそり結婚した二人が部屋から出て来る。ジェロニモは激怒するが、伯爵はパオリーノに対するカロリーナの愛に感動し、自分はもともとの約束どおりエリゼッタと結婚するつもりだと告げる。一同は和解して大団円となる。(幕)

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