[歌劇]外套(がいとう)(ジャコモ・プッチーニ)

外套(表)

外套(裏)

収録曲 [歌劇] 外套全1幕 LD1枚(収録時間:60分) [イタリア語/日本語字幕]
[歌劇] 道化師全2幕 LD1枚(収録時間:81分) [イタリア語/日本語字幕]
メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団(指揮:ジェイムズ・レヴァイン)  1994年上演

[歌劇] 外套

ミケーレ(伝馬船の船長):ホアン・ポンス(バス)
ジョルジェッタ(ミケーレの妻):テレサ・ストラータス(ソプラノ)
ルイージ(若い荷役夫):プラシド・ドミンゴ(テノール)
ティンカ(荷役夫):チャールズ・アンソニー(テノール)
タルパ(荷役夫):フェデリコ・ダヴィア(バス)
フルーゴラ(タルパの妻):フローレンス・クイヴァー(メッゾ・ソプラノ) 他

セーヌ河畔。伝馬船に腰かけているミケーレ。傍らで家事に精を出すジョルジェッタ。荷役夫たちが仕事を終え引き上げてくる。ミケーレは彼らに酒を振る舞うようジョルジェッタに指示し、そして口づけを求めるがジョルジェッタは応じない。酒を飲みながら荷役夫たちが仕事や家の話を始めると、ルイージが「俺たちの人生は生きる価値がない。喜びのはずのものも苦しみでしかない。荷を背負ってうつむくしかない。・・・日々汗して働いて得るのはパンだけ。恋をするのも許されない。」と若い荷役夫の悩みを歌う。短い酒盛りが終わり、荷役夫たちは後片付けに船倉に戻る。フルーゴラがやってきて、ジョルジェッタと楽しい語らいを始める。フルーゴラは「ちっちゃな畑のある家が夢。部屋は狭くていい。松が二本あって、そこで古亭主が日向ぼっこしてる。そうやって死を待つのさ。死ってあらゆる不幸の救いだからね。」と、最後は悲しげに歌う。

みなそれぞれが家路につき、ミケーレも船倉に戻り、ルイージとジョルジェッタの二人だけになると、二人は抱き合い口づけを交わす。二人は今夜も逢引きの約束を交わして別れる。逢引きの合図は、いつものようにジョルジェッタが点すマッチの灯。二人が去るとミケーレが現れる。彼は妻を疑っている。「誰があれをそそのかした。死でかたをつけてやる。」と歌い、怒りをセーヌの川面にぶちまける。そして、腰かけてパイプに火をつけるためにマッチをこする。人の気配がする。物陰に隠れていると、現れたのはルイージ。「お前か!」。ルイージを背後から羽交い絞めにするミケーレ。苦しむルイージに「ジョルジェッタを愛している。」と繰り返し言わせる。ついに苦しみ悶えながらルイージは絶命する。ジョルジェッタがミケーレを呼ぶ声がする。慌ててマントの中に冷たくなったルイージを隠すミケーレ。ルイージとの逢引きのためには、ジョルジェッタにとってミケーレは邪魔な存在。何とかミケーレを船倉に行かそうと、ジョルジェッタは昔の話を持ち出す。「あんたはよくこう言ってたわ。誰も皆マントを持っていてそこに包み隠す。ある時は喜びを。ある時は悲しみを・・・。」ミケーレは「時には罪もな。このマントの中に・・・この中に!」と叫びマントを広げて見せる。ジョルジェッタの悲鳴がパリの夜空にこだまする。

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