[バレエ]マイヤリング(フランツ・リスト)

マイヤリング(表)

マイヤリング(裏)

収録曲 [バレエ]マイヤリング全3幕 LD2枚組(収録時間:129分) 1994年2月
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団(指揮:バリー・ワーズワース)

ルドルフ皇太子:イレク・ムハメドフ
マリー・ヴェツェラ:ヴィヴィアナ・デュランテ
王女ステファニー:ジェーン・バーン
フランツ・ヨーゼフⅠ世:デレク・レンチャー
エリザベート皇后:ニコラ・トゥラナ
伯爵夫人マリー・ラリシュ:レスリー・コリア
ブラトフィッシュ:マシュー・ハート
ミッツィ・カスパー:ダーシー・バッセル
英国ロイヤル・バレエ団 他

オーストリア=ハンガリー帝国のルドルフ皇太子と17歳の男爵令嬢マリー・ヴェツェラの謎の死という、実際にあった事件を題材にしたバレエです。背景が皇室の内部ですので、いかにも上流階級らしい高級感あふれる舞台でした。この事件は映画の題材にもされ、日本では「うたかたの恋」という邦題で上映されました。

第一幕(第一場)ウィーン。ホーフブルク王宮の広間。ベルギーの王女ステファニーとルドルフ皇太子の結婚を祝う宴席で、ルドルフはあからさまにルイーザ王女と戯れて、両親と花嫁の不興を買う。独りになったルドルフが、ラリシュ伯爵とヴェツェラ男爵夫人と会い、男爵夫人から娘のマリーを紹介される。そこへ、ルドルフの友人である4人のハンガリー将校が現れ、自国の分離運動について熱のこもった陳情をする。再びラリシュ伯爵夫人が現れ、ルドルフに昔の親密な関係に戻ろうと迫る。その2人の姿を目にした皇帝は、声を荒げて、ルドルフに妻のもとへ帰れと言う。

(第二場)王宮の皇后の部屋。宴を引き上げたエリザベート皇后が女官たちと歓談している。花嫁の元に向かう途中のルドルフが立ち寄る。強制的な結婚に不満の彼は、皇后の同情を引こうとする。

(第三場)王宮のルドルフの部屋。ステファニーが結婚初夜の支度をしている。2人きりになると、ルドルフは拳銃を見せびらかして床入りの前の彼女をおびえさせる。

第二幕(第一場)いかがわしい居酒屋。ブラトフィッシュに付き添われて、変装したルドルフとステファニーが居酒屋に来る。いやそうなステファニーをブラトフィッシュがあの手この手で楽しませようとする。娼婦たちは憤然とするが、取り直してお得意客の彼らの気を引こうとする。ステファニーは立腹して席を立つ。ルドルフの関心は愛人のミッツィ・カスパーと、ハンガリー人の友人達に注がれたままである。そこへ警察の手入れが入る。その間ルドルフとミッツィとハンガリー将校達は息をひそめている。常に監視の下に置かれ、絶望感に襲われたルドルフは、ミッツィに自分と心中しようと持ちかける。ルドルフが居酒屋にいたとの通報を聞いた首相のターフェ伯爵が登場する。再び身を隠すルドルフ。しかし、ミッツィは彼がいたことを伯爵に伝え、伯爵とともに立ち去る。

(第二場)居酒屋の外。ルドルフが友人達と別れて帰ろうとする時、ラリシュ伯爵夫人が彼に気が付き、自分が社交界で後押ししていたマリー・ヴェツェラに彼を引きあわせることをたくらむ。

(第三場)ヴェツェラ男爵の屋敷。ラリシュ伯爵夫人が友人のヴェツェラ男爵夫人のもとを訪ねると、娘のマリーがルドルフの肖像画に見入っている。伯爵夫人はトランプを出して、マリーの運を占ってやり、彼女の夢がかなうことを誓う。マリーはルドルフへの恋文を彼女に手渡す。

(第四場)ホーフブルク王宮。フランツ・ヨーゼフの誕生祝賀会で、首相のターフェ伯爵がルドルフに政治宣伝の小冊子を突きつける。と同時に、傍らでベイ・ミドルトン大佐が首相におもちゃの葉巻を差出し、ルドルフを大いに喜ばせる。エリザベート皇后が、皇帝に彼の友人のカテリーナ・シュラットの肖像画を贈る。あがった花火に皆の気がそれるが、エリザベートとベイ・ミドルトンだけは様子が違う。ルドルフは2人の情愛に気づき、憤怒する。再び始まった花火に紛れて、ラリシュ伯爵夫人はルドルフにマリーの手紙を見せてからかう。

(第五場)王宮のルドルフの部屋。マリーとルドルフが初めて密会する。

第三幕(第一場)郊外。王室の遊猟会。楽しい狩の一日だったが、ルドルフが突然狂ったように撃った弾が、側近の一人を死なせてしまい、台無しになる。弾はかろうじて皇帝には当たらずに済む。

(第二場)王宮のルドルフの部屋。皇帝がラリシュ伯爵夫人と一緒にいたルドルフを見付け、彼女を下がらせる。皇后は外にマリー・ヴェツェラが居たことは知らない。ルドルフに近寄るマリーに、ルドルフは一緒に死んでくれと頼む。

(第三場)マイヤリングの狩猟館。ホヨス伯爵とフィリップ王子と酒を交わしていたルドルフは、彼らに気分がすぐれないので、下がってくれと言う。ブラトフィッシュがマリーを連れてやってくる。ルドルフはブラトフィッシュに2人に芸を見せて慰めてくれるよう命じる。ブラトフィッシュはしばらくして、2人の注意が自分にないことに気付き退散する。ルドルフは急に激しい欲情にかられ、マリーと愛を交わす。モルヒネ注射で神経を鎮めたルドルフは、再びマリーを抱き彼女を撃つ。ロスシェク、ホヨス、フィリップは銃声に慌てるが、ルドルフの無事に安堵する。しかし、独り残されたルドルフは銃で自らを撃つ。

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