[歌劇]ナクソス島のアリアドネ(リヒャルト・シュトラウス)

ナクソス島のアリアドネ (表)

ナクソス島の(裏)

収録曲 [歌劇]ナクソス島のアリアドネ(序幕劇と歌劇の2部作) LD2枚組(収録時間:146分)
[ドイツ語/日本語字幕]  1988年
メトロポリタン歌劇場管弦楽団(指揮:ジェイムズ・レヴァイン)

アリアドネ(クレタの王ミノースの娘):ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
ツェルビネッタ:キャスリーン・バトル(ソプラノ)
作曲家:タティアナ・トロヤノス(メッゾ・ソプラノ)
バッカス:ジェイムズ・キング(テノール)
音楽教師:フランツ・フェルディナント・ネントヴィヒ(バリトン)
ハルレキン:ステファン・ディクソン(バリトン)
ブリゲルラ:アンソニー・ラチューラ(テノール)
スカラムッチョ:アラン・グラスマン(テノール)
トルファルディーノ:アルトゥール・コルン(バス)
舞踊教師:ヨーゼフ・フランク(テノール) 他

ジャケットの解説によると、この歌劇の生い立ちはかなり変わっています。悲運に見舞われた王女の物語である「ナクソス島のアリアドネ」に、1910年代当時流行していた茶番劇を織り交ぜてはどうかという提案が通り、初演を迎えたところ激しいブーイングに会い、以降は現代で上演されている型式(このアルバムも含め、序幕劇と歌劇の二部作にする)に落ち着いたとのことです。

序幕劇。

ある大金持ちの邸内にある小劇場の舞台裏。今夜上演される歌劇:ナクソス島のアリアドネの舞台監督の音楽教師が、この家の執事からとんでもない話を聞かされる。歌劇に続いて茶番劇が上演されるというのだ。憤慨する音楽教師。しかし、予定は変更されないと言い切る執事に逆らえない。招待客たちが食事を終えたら歌劇。その後9時から花火が始まるが、それまでの時間で茶番劇を演ずると言うのだ。一方、その茶番劇を演ずるツェルビネッタ役のバトルは「オペラの後が私達よ。お客様たちを笑わせるのは大変よ。長い間、歌劇で退屈した後ですからね。」と仲間に話す。すると歌劇のヒロイン:アリアドネ役のノーマンは、バトルたちを指さし「あいつらと同じ舞台に立てと言うの!」と不快感をあらわにする。そこに、執事長が現れこの家の主人の新たな提案を披露する。それは、歌劇と茶番劇を一緒に演じろというのだ。茶番劇を演ずるツェルビネッタはアドリブを生かせると大賛成だが、歌劇を演ずる側は大反対で、作曲家は絶望して自作を引っ込めようとする。しかし抵抗むなしく、風変わりな出し物は上演されることとなる。作曲家は「音楽って何だろう。音楽は聖なる一つの芸術だ。音楽は全ての芸術の中で最も神聖なものだ。」と力なくつぶやく。

オペラ。

孤島ナクソス。クレタの王ミノースの娘であるアリアドネは、命を助けてやったテセウスから無情にも捨てられ、島の洞窟で寂しく暮らしている。水の精、木の精、やまびこの3人のニンフが出てきて、アリアドネに同情している。「彼女は眠っているの?いいえ彼女は泣いている。彼女は泣きながら眠っている。」と歌いながら。やがてアリアドネは眠りから覚め、絶望のあまり死を渇望する。そこに、陽気なツェルビネッタと4人のパートナーが現れ、陽気な踊りでアリアドネを勇気づけようとするが、効果はない。4人のパートナーが去った後、一人残ったツェルビネッタは「死と憎しみ。希望と絶望。すべての楽しみと苦痛。これらすべてに心は耐える。一度ならず何度でも。・・・あなたは楽しい人生を生きねばならない。」と、なおもアリアドネを励ます。また「男は本当に不誠実です。短い夜と昼。一瞬のまなざしが彼らの心を変えてしまうのです。しかし私達(女たち)は、このような変化に不死身なのです。」とも歌い、走り去る。アリアドネも洞窟に戻る。誰もいなくなった舞台に3人のニンフが戻ってきて、バッカスの到着を告げ、この男神の運命を物語る。洞窟から出て来たアリアドネは、バッカスを死の国からの迎えの使者であると勝手に思い込み、現世の苦から逃れるためにバッカスの胸に抱かれる。しかし、バッカスが施した接吻は、彼女に新しい愛を生まれさせた。バッカスも真の愛に目覚めて、完全に神性を獲得する。

ジャケットの解説によると、R・シュトラウスの作品は、大きく3つに分類されるとのことです。最初の分類は「エレクトラ」や「影のない女」などの比較的ワーグナーっぽい作品群。2番目の分類は「ばらの騎士」や「アラベラ」などの華やかな音楽や楽曲を伴う作品群。3つ目の分類が、この「ナクソス島のアリアドネ」のようなフランス風喜劇の要素を持っている作品群とのことです。

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