[歌劇]オテロ(ジュゼッペ・ヴェルディ)

オテロ(表)

オテロ(裏)

収録曲 [歌劇]オテロ全4幕 LD2枚組(収録時間:142分)   [イタリア語/日本語字幕]
ポリドール  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団(指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン)  1973年8月上演

オテロ:ジョン・ヴィッカーズ(テノール)
デズデモナ(オテロの若妻):ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
ヤーゴ(オテロ配下の士官):ピーター・グロソップ(バリトン)
エミリア(ヤーゴの妻、デズデモナの侍女):ステファニア・マラグー(メッゾ・ソプラノ)
カッシオ(オテロ配下の副官):アルド・ボッティオン(テノール)
ロデリーゴ(ヴェネチアの紳士):ミシェル・セネシャル(テノール)
モンターノ(キプロス島の前総督):マリオ・マッチ(バリトン)  他

第一幕

キプロス島の港。将軍オテロが凱旋する舟が激しい嵐の中、今にも沈みそうになりながらキプロス島を目指しています。キプロス島の港から心配そうに見守る群衆。しかし見事にオテロは港に辿り着き群衆の歓声に迎えられます。群衆が歓喜する中、一人だけ不機嫌そうな軍人がいます。ヤーゴです。彼はオテロの部下ではありますが、副官のポストを若いカッシオにさらわれ、その人事を決めたオテロを恨んでいます。そしてもう一人不機嫌そうな人物がいます。ヴェネチアの紳士ロデリーゴです。オテロの妻となったデズデモナに心を寄せていた彼は、オテロとデズデモナの初夜となる今日という日にいら立っていました。

そこで、今日の祝宴と二人の初夜を妨害しようとヤーゴが一計を案じ、ロデリーゴに囁きかけます。「カッシオは若くて酒癖が悪い。俺が酒を勧めるから酔った彼にケンカを売れ。」と。カッシオに酒を勧めるヤーゴ。断りきれないカッシオ。ここでヤーゴによる「乾杯の歌」が入ります。「喉を潤しぐっと飲み干せ。バッカスの誘惑にかかった奴は、思う存分ハメを外して俺と一緒に飲め。」と。やがて前総督のモンターノが登場したその時、ロデリーゴとカッシオの喧嘩が始まり、喧嘩を止めようと中に入ったモンターノはカッシオに刺され負傷してしまいます。騒ぎを聞き駆けつけたオテロ。ヤーゴの報告に怒りカッシオを罷免します。オテロは群衆を含め全員に砦から退去する命令を出し、二人きりになったところでデズデモナと愛を歌い上げます。

第二幕

砦の庭園。オテロに罷免され気落ちしているカッシオを「心配しないで」と励ますふりをして語りかけるヤーゴ。ここでヤーゴの復讐第二弾が始動します。ヤーゴは「デズデモナに相談し、オテロの許しを得られるよう取り成してもらうのが良い」とカッシオに助言します。ヤーゴの助言を鵜呑みし、その場を立ち去るカッシオを見て、ヤーゴは憎々しげに歌います。「悪魔は俺だ。俺が信じるのは非情の神だ。正義など道化にすぎない。天国などは古臭い嘘だ。」と。

同じ庭園で侍女のエミリアとくつろいでいたデズデモナに話しかけ相談するカッシオ。そこにオテロが通りかかり、自分の妻とカッシオがなにやら語り合っている現場を目撃します。ヤーゴはオテロに近づき「カッシオとデズデモナとは以前から知り合う仲である。」と話します。「むやみに人を疑ってはならぬ。」と、ヤーゴの話に取り合わないふりをするオテロ。しかし、オテロの胸中は穏やかではありません。そこに、カッシオからの嘆願を受け、オテロに相談しようとデズデモナがやってきます。「カッシオを許してやって」と嘆願を歌い上げるデズデモナにオテロは怒りを示します。ここで4重唱が歌い上げられます。失意に沈むオテロ。オテロの怒りに戸惑いながらもオテロへの愛を歌い上げるデズデモナ。勝ち誇り「黙っていろ。身が滅ぶぞ。」と妻を威嚇するヤーゴ。自分の夫の悪行を嘆くエミリア。4者4様の心情を歌い上げています。

オテロはヤーゴを呼び出し、「お前は俺を十字架にかけたな。悪党め。デズデモナの不貞の証拠を見せろ」と首を締め上げます。「神よ助けて。天よ助けて。」と叫ぶヤーゴ。全てが信じられなくなったオテロに「カッシオとデズデモナが抱き合っている所でも見たいのか。」と毒づくヤーゴ。更に「証拠は他にもある。デズデモナが以前持っていた薄手のハンカチを、今はカッシオが大事に持っているのを見た。」と真顔で話すヤーゴ。「そのハンカチは俺がデズデモナにプレゼントしたものだ」とオテロはうなだれます。

第三幕

大広間。デズデモナへの疑いが晴れないオテロは、「今ここにないのなら探してこい。」と、ハンカチにこだわりデズデモナを恫喝します。オテロの怒りを理解できず、カッシオの嘆願を繰り返すデズデモナ。「ハンカチを探してこい」を繰り返すオテロ。更に続くオテロの恫喝に耐えかねたデズデモナは涙を流しながら「私には罪はありません。私が何をしたのでしょう。」と訴える。泣き暮れるデズデモナを室外に追いやるオテロ。物陰から一部始終を見ていたヤーゴはほくそ笑みます。

ラッパが鳴り大砲の轟が聞こえてきました。ヴェネチア本国からの使者が来たのです。使者の面前においてもカッシオの嘆願を口にするデズデモナ。デズデモナをののしるオテロ。その光景を見た本国からの使者は「彼は本当に英雄か。勇敢な戦士なのか。」と驚きます。やがて読み上げられた総督からのメッセージは、「オテロを本国に召還し、カッシモを後任にする」・・・との内容でした。「奥様を慰めてあげて下さい。」と言う使者を無視し、「跪(ひざまず)いて泣け」とデズデモナを威嚇するオテロ。そして「みんなオテロから逃げろ。自分から逃れられない。」と泣き叫ぶオテロは、広間で仰向けに倒れてしまいます。誰もいなくなった広間に現れたヤーゴ。「俺の毒が回って来たな。俺のかかとでオテロの顔を踏むのを誰も止めることはできない。」と不敵に笑います。

第四幕

オテロとデズデモナの寝室。オテロの指示で先に寝て待っているデズデモナに「自分の罪を悔い、最後の祈りをささげろ」と命ずるオテロ。「私は罪を冒していない。殺さないで。生きていたい。」とオテロに縋りつくデズデモナ。しかしオテロはデズデモナの首を絞め、殺害します。そこに侍女のエミリアが「カッシオがロデリーゴを殺した」と叫びながら寝室に入ってきます。そして、エミリアはベッドに仰向けになって息絶えようとしているデズデモナを発見します。「犯人は誰?」と尋ねるエミリアに「悪いのは私です」と応え、息絶えるデズデモナ。オテロに詰め寄るエミリア。そこに使者が現れ、ロデリーゴがヤーゴの企みを全て白状したことを告げます。エミリアもあのハンカチは、夫であるヤーゴが私から奪い取ったものであると暴露します。茫然と立ちつくすオテロ。やおらナイフを抜いて自らの胸を刺し、デズデモナの枕元に倒れ込みます。(幕)

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