1. 終幕
2. 憧憬i
3. 回想
4. 憧憬ii
5. 閉鎖
6. 六月、雨と相反する
2. 憧憬i
3. 回想
4. 憧憬ii
5. 閉鎖
6. 六月、雨と相反する
2010年結成。2012年現在のメンバーに。京都から発信するオーケストラハードコアバンド。声は、ギターは、ベース、ドラム、およびプログラミングは壮大なサウンドスケープを構成する。本作は、ツインギターとプログラミングが、絡み合って溶けたかのような重厚なサウンドと、ファストコアさながらのナイフの如き切れ味の展開が凄まじい速度で交差する。絶叫とスポークンを使い分けた声は、まるで指揮するかのように楽曲にメリハリをつける。envyやheaven in her armsの影響系だろ?などと是非舐めてかかって欲しい。ここまで情景が浮かぶようで、決して飽きさせないハードコアが、地下で蠢いていたとはと驚くだろう。次の世代なんて、陳腐な言葉は要らない。音楽は年齢も国境も超越する。黙って聴け。
はじめまして!インタビューお受けいただきありがとうございます!!
ではnisikaさんの自己紹介とともに、メンバーの自己紹介を宜しくお願い
します!
はじめまして。none but air [at the vanishing point] Vo/Prog nisikaです。
他にGt uebo, gmdd, Ba simizu, Dr ryomaという構成でやっています。
Further platonicからのリリースなんですね、誰もいない境地に向かってる気がするんですが、今現在この新しい作品がnone but air [at the vanishing point] のやりたいことの答えでしょうか?
今作、出来上がった作品を手にし今の気持ちはどのようなものでしょうか??
「数えきれないくらい何度も何度も試行錯誤して、ようやく辿り着いた」という感覚でしょうか。
やりたいことは見えてたのに、形にするのに想像以上に時間がかかってしまいました。
それを新境地だと言ってくれるならこれ以上のことはないですね。
台湾遠征のときの空港で初めて手にしたんですけど、出発前の昂揚感と相まって非常に嬉しかったですね…。
こう言っちゃうと何かすごい陳腐な感想に聞こえますね。(笑)
「この世界に形をとって残る」というのが実感できたというか。
台湾にライブしに行くってすごいことですね!それはどう言った経緯で??台湾でライブを行い、感じたことやnone but air [at the vanishing point]として得たものはどういったものでしたか?
台湾出身の知り合いで、僕らの音楽を気に入ってくれている人がいて。その人に台湾のバンドと繋げてもらいました。
台湾の人たちってめちゃくちゃ日本の文化に興味を持ってるんですよね。
本屋に行っても日本の漫画がほとんどだし、車とかコンビニとか日本の資本がたくさん流入してて。
あと日本の有名な音楽もたいてい知ってて、素直に驚きました。
そういう背景もあるんでしょうけど、反響がすごく大きかったです。
確かに、環境の違いに面喰ったり移動でひやひやしたりはあったんですが、
ホストのバンドと音楽の話をしたり、ゲストVoとして参加したり、向こうのフェスを運営してる人と話が出来たり……
得た経験値はかなり大きかったですね。
「国外へ」って考えはもともとあったんですけど、より一層強く思えるような根拠に繋がったっていうか。
none but air [at the vanishing point] 結成の経緯を是非教えていただきたいです。
僕とDrのryomaは高校の同級生ですね。
そのときから一緒にバンドをやってるんですけど、その頃はMetallicaとかAvenged Sevenfoldのコピーをしてましたね。
まぁ、よくいる「地獄のメカニカルトレーニング高校生バンド」っていうか。(笑)
卒業後、そのときのメンバーで何となくポストロックをやり始めたんですよね。それが前身だと思います。
この時期にポストロック/エレクトロニカとかハードコアとか、いろんな音楽に出会って。今思い返すと、自分の感性を深めることが出来た大切な時期だったのかなと。
それからメンバーの脱退があったり、次第にやりたいことが明確になってきたりして、2012年にuebo,gmdd,simizuを誘って現編成になりました。
none but air [at the vanishing point] 名前からして特殊というか、このようなハードコア、ポストロック、ハードコア、エレクトロニカ、アンビエント、シュゲーザー音楽性に向かっていったのは必然だったんですか?
エクスペリメンタルって言葉を見つけたとき、先鋭的なバンドなんだと思いました、異質すぎるというか、アングラに行きがちなんだけど、とんでもない場所で評価されそうな。
nisikaさんのルーツとともにメンバー間でシェアしあえている音楽はどのようなものですか?
名前、長いですよね。(笑)
フライヤーで場所を取ってるの見ると心苦しいです。
僕個人のルーツはスクリーモですね。Saosin, Underoathとか、今でいうポストハードコア。高校生のときに聴き狂ってました。
それから先はmatryoshka, world’s end girlfriend, Caspian, Up there:the cloudsのようなポストロック/エレクトロニカ周辺をよく聴くようになりました。
共通して好きな音楽っていうのは難しいですね…
ひとつのジャンルの中でも好みが大きく分かれるというか。
heaven in her armsが好きだったり、Lost in bazaarが好きだったり。
プログレが好きだったり、叙情系が好きだったり。
そもそも音の質感の好みがバラバラなのですよね。
あえて言うなら、展開に物語めいたものがある音楽ってところでしょうか。
そういう意味では今の音楽性は自然な成り行きかも知れないですね。
none but air [at the vanishing point] の楽曲制作についてですが、イマジネーションに繋がるハードコアといいましょうか「轟音」と「音響」、「轟音響」すみません意味わからなくて。すごく実験的なことを繰り返して構想しているのかなと思いました。ハードコアの熱量とメッセージ性にエレクトロやエクスペリメンタルなどの浸る空間をひとつにするといこと、とんでもないことだと思います。
曲を作る上でプロセスにしてる部分をお聞かせください。
「音響」というのは的を得た言葉だと思います。
僕らが作っているのはあくまで「音楽」なんですけど、映画の一幕のような音像を意識してて。
背景があって、人がいて、台詞があって、音楽がある。みたいな。
映画の予告編とか一時期流行ったMADに近いかも知れませんね。
だから「イマジネーションに繋がる」と言ってもらえるのは光栄です。
特に何から作るとか決まってないんですよね。
「こういう音を入れたい」とか「こういう台詞を言いたい」みたいな漠然としたテーマが思い浮かんだら、デモを作って、ある程度出来たらスタジオでひたすら捏ね繰り回すって感じです。
プロセスって程のものじゃないんですけど、テーマを決めるところが結局一番大事なんじゃないかと思ってます。
「映画の一幕のような音像を意識してて。背景があって、人がいて、台詞があって、音楽がある。みたいな。
映画の予告編とか一時期流行ったMADに近いかも知れませんね」
このコメントを頂けた上でもう質問がなくなっちゃいますね笑
オーケストラハードコアバンドとディスクユニオンサイトにて書いてました、
たしかにバンドより楽団ってイメージに近いかなともおもいました。
繰り返し作品を聴いてると
ポストクラシカルのアプローチに近い、繋がりそうな感触だと自分では感じております。
serphが目指したのは最高のインストなんですけど、確かに色調や情景を浮かび上げることに通じる部分があるとも思います。
僕が誰かにnone but air [at the vanishing point]ってどんな音楽してるのか?と問われたら6曲目”六月、雨と相反する,,を聴かせてあげると思います。
きっとこの曲が一番none but air [at the vanishing point]の美学というか、一番音像から画を掘り浮かび上がりそうだなと思いました。
実際ポストクラシカルも好きだし、OSTとかよく聴いてて影響も受けてますね。
もとはインストバンドでしたし。
けど、どうなんでしょう。
どの曲が一番自分たちらしいかってのは、外から見ないとわからないのかも知れないですね。(笑)
ただ”六月、雨と相反する”がs/tの中で一番テーマがわかりやすいのかな。
一番色が多いというか、彩度が高いというか。
僕個人的な感じの質問なんですけど、おそらくカテゴリーに入れられない音楽だなって思います。
入れられるとしても、もしかしたらこの作品を創った本人的には不本意になるのでは?
というくらいリスナーの質に問われる作品とも思いました。
ジャンルは激情系でも叙情系でもポストハードコアでも、正直何でもいいと思ってます。
聴いてくれた人が、各々受け取りやすいように決めてもらえればいいかな、と。
確かに「ジャンル分け不可能」って言われるのも褒め言葉なんですよね。(笑)
その人にとって全く新しい音楽だったってことだから、嬉しいです。
でも単純に、聴いてもらって何か感じてくれれば、それだけで十分ですね。
あなたにとって名盤や名曲を惜しみなく教えていただきたいです!
Saosin / Saosin
matryoshka / zatracenie
world’s end girlfriend / Dream’s end come true
ではこのインタビューを見ている皆様にメッセージをお伝えください。
読んでくださって、ありがとうございます。
少しでもnone but air [at the vanishing point]に興味を持っていただければ幸いです。
もしs/tを聴いて、このインタビューに納得していただけたなら、これ以上の事はありません。
長々とお付き合いくださり、感謝です。
音響からなる音像が、深淵に差し込むような深い絶望や狂気、霧がかった視界さえ表現している、
京都の地下音楽だけで鳴るには切なすぎる。
信じることは美しい、そんな感情すら描いてしまいそうだ。
自分の感性が最後に辿り着くであろう音楽は一体どんなもんだろう?
最後、僕はどんな音楽を愛するだろう?
もしこのインタビューを読んでくれているのであれば一度聴いてみる以外に無いです。
この作品は感性の質が良い人なら一生涯この作品を越えれる以上の音楽はこの世にないかもしれない。
本当にそう思う作品なんです。
投影した世界観はジャンルやカテゴリーを無効化した新たな芸術だ。
誰も真似できない、限られた人間しか掴めない領域にこの若さで踏み込んでしまってる京都はnone but air [at the vanishing point]のs/t、
地下から世界視野に入れた500枚限定の名盤
時が来れば日本ではnone but air [at the vanishing point]の作品の重大さに気づくはず。
今手に入れれるチャンスがリアルタイムにある。
是非。