ダック・コール 稲見 一良 (ハヤカワ文庫JA) を薦めたこと

出不精で引きこもり傾向があり、愛想が無く人当たりと付き合いが悪いので、おおむね一人でボーっと過ごしている。

それでも稀に、用事の合間に暇が出来た人が訪ねて来る時もあり、そんな時は大急ぎで片付けをしてご飯の用意をする。

普段片付けていないので、たまに人が来ると部屋が少し広くなった気がして便利だ。

やってくる人はお酒を呑まないので、自動車で来る場合が多い。
自動車で来るということは、終電の時間を気にしない。お酒も呑まないの、にいつまでたっても滞在し、夜も遅くなり、後片付けが出来ないので不便だ。

グローバ経済の荒波の中で活躍する一流サラリーマンの、管理職をやっている人は苦労が多い。

何だか大変なお仕事の話を「こーゆー発言を他所でするとダークな人と思われるから、ここで発散する」と色々喋って、夜遅くにやっと帰宅する。

ご飯を食べさせる「産業カウンセラー」プレーは、無為徒食の私でもストレス解消の役にたった風で、間接的に我国のGDPに貢献出来た気分になる。

しかし、管理職は大変だ。深夜の後片付けも面倒だ。

一流サラリーマンは役立つ難しい勉強の本を読んでいるけれど、あまり役に立たない本も読むのが好きな来訪者なので、「この前教えてくれた本面白かった。また、何か教えて」と云われるので推薦する。

「ダック・コール」もその一冊だ。

数日すると「稲見一良、読んでます。大人のメルヘン、泣きそうです。」とメールが来た。

一流サラリーマンの管理職の発言は社交辞令の場合があるので、「それはおすすめした私を揶揄しているのではなく、素直に喜んでよいのでしょうか。」と返信してみた。
すると「素直に喜んでください。良い作家を紹介してもらった。猟犬探偵他を読むのが楽しみ。」と、他の本も購入したと返信してきた。

ところで、すすめるなら本くらい貸してあげれば良いと批判されると困るので弁解すると、本は概ね貸さない。貸すくらいな差し上げる。
この傾向がヒドイ時は数冊購入して配る場合がある。

大分以前ある本を配るブームをしていて、その話を間接的に知った著者からメールが来たことがあった。
著作権保護に貢献出来て良かった。

で、今回も「猟犬探偵」より先に「セント・メリーのリボン」を読まないのは順番が違うので一冊購入して差し上げた。
これで、内需拡大にも貢献も出来た。誰か褒めて下さい。

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