前回の続きでお勧め展示会を紹介いたします。
◆Premier Class 開催場所 パリ
ここはTranoiと同じ時期にパリにて開催される展示会です。
Tranoiよりも少し安いブランド、
カジュアルよりなブランドが多いのが特徴です。
また、バッグ、靴、メガネ、スカーフなどのアクセサリーが多いのも特徴です。
安いと言いましてもPremiere Classに出展するには厳しい審査に
合格しなければならないのでデザイン性ともに折り紙つきです。
◆Capsule
開催場所 パリ(ニューヨークとラスベガスでも開催しています。
出展者は各都市で多少変わります)
パリではウィメンズはひっそりと小さな会場で行われますが
メンズはとても大きな会場で行われます。
会場がパリ中心部より遠くバイヤーさんには不評ですが
それ故、行く価値があります。(来シーズンより会場が変更される予定)
まだ日本の代理店がついていないブランドも見つけることが可能です。
日本の代理店がついていないブランドですと、
卸契約を結べる可能性がぐっと高まります。
小さなブランドでも良いものを作っているブランドは必ずあります。
前回の展示会ですと、Kitsuneで経験を積んだ若いデザイナーが
ブランドを立ち上げて出展していました。
このような将来有望で、まだ代理店のついていない、
でもこれから確実に伸びていくだろうブランドを獲得できる
可能性のある展示会です。
◆Bread and Butter Berlin
開催場所 ベルリン
旧ベルリン空港を貸し切り行われる巨大な展示会です。
全てのブランドを見るのは不可能なのである程度、
狙いを定めてピンポイントに攻めるのがお勧めです。
カジュアル系では世界一有名なセレクトショップ
14oz(ベルリン)のオーナー Karl Heinzが運営しています。
スペースが巨大で出展しているブランドも大手が多いのでブースがとにかく巨大です。
ブースの前にモデルのようにスタイルの良い女性を立たせて
バイヤーさんをお出迎えするブランドもいます。
そんな女性を見られるだけでも行く価値はあります(^^)
G-Star, Red Wing, Levi’s, Prps, Barbour, Lacoste, Fred Perry, などの
巨大ブランドは交渉する意味はありませんが、
小さなブランドを見つけて交渉してみましょう。
この展示会はファッションの本当に華やかな面が見られるので一度行くことをお勧めします。
◆Pitti
開催場所 フィレンツェ
モードなブランドもカジュアルなブランドも扱う展示会です。
やはりイタリアのブランドの出展が目立ちます。
イタリアのブランドの特徴は“売りやすい”点にあります。
正直デザイン性という観点で見るとフランス、イギリス、日本には
まだまだ遠く及びませんが、とにかくブランディングがうまく、
売るの得意なのがイタリア人です。
クオリティも高く、日本で売れるブランドが多くあります。
日本人はMade in Italyが好きですし、
パリの展示会の前に少し時間をとって
フィレンツェに足を運んでみてください。
主だったヨーロッパの展示会はこれくらいです。
やはりファッションで一番影響力があるのがヨーロッパですし、
これら展示会は効率よく周れるようにスケジューリングがされています。
2~3週間の間に全て開催されるので、時間をとって
一度全ての展示会を足を運ぶことをお勧め致します。
上記、有名展示会ではすでに日本である程度の知名度を得ているブランド、
既に売れているブランド、
新しくても将来有望なブランドを見つけることができます。
そんなブランドですと何もしなくても売れていくので販売はかなり楽です。
ただし、売れているブランドは日本の代理店と契約をしており、
そう簡単に卸契約は結べないのが現状です。
代理店は卸先を慎重に審査をしますし、値崩れが起きないように
上代を厳重に管理します。
大抵の場合、実店舗を持っていなければ卸してはもらえません。
では卸契約は諦めるしかないのかと言えば、いくつか試すことがあります。
1度、卸さないと言われても、最終日にもう一度交渉に行きましょう。
どこのブランドも卸先は慎重に選びますが、
もし最終日までに予算が達成されていない場合、
営業の人は「誰でもいいから売ってしまえ」という
心境になっている場合があります。
出展費用は上記のような大きな展示会ですと
最低5000€くらいします。
それに人件費、ホテル代、交通費を計上すると
1回の出展に最低100万円は経費として使っています。
莫大な出費をした展示会で全くオーダーがついていないと営業の人は焦ります。
そうなれば卸先を選んでいる余裕はありません。
また全く顧客を呼び込まない代理店にも嫌気がさしています。
使えない代理店には相談もせずに
卸してしまおうという考えにもいたります。
そんな時であれば、「実店舗持っていません。
オンラインショップのみです」と言っても
卸してもらえる可能性が高まります。
一度断られたとしても、諦めずに再度チャレンジしましょう。
実店舗を持つ人に買い付けてもらい、その人から卸してもらう。
これは少しトリッキーですが友人、知人に店舗を持つ人がいれば聞いてみましょう。
キャッシュフローが少なく、現金が欲しい店は多いので、
条件を提示したら飛びついてきて、交渉がまとまったという話も聞きます。
当然、実店舗にいくらかのマージンを払わなければいけないので
利幅は減りますが、それでも並行輸入をするよりは旨味のある取引となります。
また、近いうちに卸契約をサポートするサービスを始める人が
出てくるとのことですので、サービス開始とともに申し込んでもいいでしょう。
また目利きができる人、資金に余裕のある人であれば、
まだ売れていないブランドを買い付けるという手もあります。
上記の展示会の他にもとんでもない数の展示会があります。
http://www.senken.co.jp/calendar-oversea/
私は疲れるし、あまり良いブランドがあるイメージがないので
アメリカには行きませんが、気合の入った人はアメリカも見るべきです。
最近ACNEやNudie Jeansを輩出した北欧は見る価値ありです。
スカンジナビアで行われる展示会は、規模は小さいですが訪れるべきです。
とてもリアリティのある服、日常着られる服、それと同時に
とてもセンスを感じさせる服をつくるデザイナーブランドが多くあります。
これらの展示会にも日本の代理店は訪れ代理店契約をしっかり
取っていたりしますが、タイミングが良ければ
初コレクションを携え出展しているブランドを発見することも可能です。
(大きな展示会は、数シーズンすでにコレクションを展開しているブランドばかりですが、
小さな展示会ではできたばかりのブランドを見つけることが可能)
またせっかく卸せても特別なコードなどで商品をしっかり管理している
ブランドは次のシーズンより卸してもらえなくなる可能性が大なので、
そのようなブランドを避けるのが無難でしょう。
卸契約を結ぶというと何だかとてつもないことを
しなければいけないように感じる人もいますが
意外とあっさりと取れたりするものです。
また交渉が決裂しても何もペナルティはないので
当たって砕けろの精神で何度も挑戦していくのが
卸契約をとる最良の方法だと思います。