#ライフスタイル認証|IDやパスワードに頼らず #IoT #ビッグデータ を活用し個人の生活習慣で認証する技術|#東京大学

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by jseliger2(画像:Creative Commons)




■ライフスタイル認証|IDやパスワードに頼らずIoT・ビッグデータを活用し個人の生活習慣で認証する技術|東京大学

東京大学、次世代個人認証技術の大規模実証実験を開始 ビッグデータ、IoT 社会に適用するライフスタイル認証の実証が目的

(2017/1/19、東京大学 ソーシャルICT研究センター)

2017年1月から、次世代個人認証技術の実用性を検証するため、複数の民間企業からの協力を得て、被験者50,000人規模の大規模な実証実験を開始いたします。凸版印刷 Shufoo! 及び、小学館マンガワンなど各企業の人気商用サービスにて、次世代認証技術を利用する形で実験を行います。

東京大学大学院情報理工学系研究科 ソーシャルICT研究センターでは、ライフスタイル個人認証に関する5万人規模の大規模実証実験を行ないました。

「ライフスタイル認証」とはどのようなものなのでしょうか?

ライフスタイル認証による安全快適な社会の実現|東京大学 ソーシャルICT研究センター

ライフスタイル認証は、ライフログデータを用いて認証を行います。
ライフログとは、スマートフォンなど様々なICT技術を使った個人ごとの利用履歴を指します。
このライフログを活用し、個人の生活習慣で認証することをライフスタイル認証と呼びます。

ライフスタイル認証とは、スマホなどから収集されたデータ(スマホの端末情報、位置情報やWi-Fi情報、買い物履歴、ウェアラブル端末のセンサー情報など)であるライフログを基に個人の生活習慣で認証する個人認証技術です。

例えば、スマホの位置情報を用いて、いつもと違う行動をしていないかを判定することで認証を行うそうです。

これまでにも、指紋認証や虹彩認証、耳の穴の形状(耳の穴で反響した音の違い)で生体認証する技術、歩容認証など個人認証についていくつか取り上げてきました。

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個人認証技術に注目が集まっているのには、現在の認証技術の限界が背景にあるようです。

ライフスタイル認証による安全快適な社会の実現|東京大学 ソーシャルICT研究センター

現状の認証技術の課題として「ほとんどのウェブサイトがIDとパスワードに頼っていること」「ユーザーが同じパスワードを使いがちなこと」があります。
こうした問題に対応するため、ワンタイムパスワードやICカード、SMSによる2段階認証など、多様な認証方法が提案されてきましたが、導入が進んでいないのが現状です。

スマホを多くの人がもつようになった現在でも、新しい認証方法が提案されてきましたが、個人認証技術は主にID・パスワードで支えられており、同じパスワードの使いまわしや推測されやすいパスワードを使用するなどによるリスクを抱えています。

ポイントは「”完全な””完璧な”セキュリティを目指さない」というところにあるのではないでしょうか?

わかりやすいのが、私たちが使っている「クレジットカード」です。

ライフスタイル認証による安全快適な社会の実現|東京大学 ソーシャルICT研究センター

クレジットカードの流れで考えてみると、ユーザに明細を送り後で不正を発見する、という枠組みを利用しています。
不正に対して「後から保証する」ことで、利用時のセキュリティについてはある程度重視するものの、完全なものを求めてはいません。
我々は「不正を完全になくす」というよりは「不正を減らしていく」技術の研究を進めていく必要性があると考えています。

カードが第三者によって不正利用されたという連絡を受けた方もいらっしゃると思いますが、これはクレジットカードも日ごろのお金の使い方(金額・場所)とは違ったときに、つまりお買い物行動というライフスタイルでチェックしているということであり、また不正を予め発見するために強固なセキュリティを用いるというよりも後から保証するというものになっているのがポイントです。

買い物行動からどれくらいのことがわかるのかといえば、例えば、「クレジットカード情報で健康状態を予想するシステム」がアメリカで始まっている!?で紹介した病院の中には、消費者の購買データと予測モデルを使用して健康状態を予測するというやり方が始まっているようです。

また、買い物パターンからお店の方が父親よりも前に娘の妊娠がわかったというケースもあるそうです。

「#Noom」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始によれば、私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、人間は習慣の生き物なのです。

その性質を利用したのが、「ライフスタイル認証」です。

安全快適な社会を実現させる『ライフスタイル認証』

動画によれば、ライフスタイル認証の特徴は自動的にデータが収集できるため、パスワードや指紋認証のように認証するときにパスワードを入力しなければならないというようなユーザーからのアクションが必要になりますが、ライフスタイル認証ではユーザーは何もしなくても裏では計算されて認証されながらまるで認証されていないような行動をとることができるようになるそうです。

Introducing Amazon Go and the world’s most advanced shopping technology

以前Amazon Goのケースを紹介しましたが、このライフスタイル認証が実用化されれば、Amazon Goのようなお店のスタイルが珍しいものではなく、一般的なものになっていくのではないでしょうか。




■まとめ

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)

「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。」(第5期科学技術基本計画)

【SoftBank World 2017】特別講演 落合 陽一 氏

「人間社会から計算機自然へ」MOA大学特別講義Vol.2落合陽一先生

(2017/8/27、MOA大学メディア)

つまり、あれだけ多様性があっても、どうやったらコンピューターで、多様性のある人間のままいけるかっていうのが次の時代の勝負なんじゃないかなと僕は思ってます。

それってつまり、一人一人がわりと好きな方向に向いててもまあ社会が成立するようになってきたのかなと。

これまでの社会は、あらゆるものを標準化することによって、人間がその標準化された社会に合わせて生活をすることで問題を解決してきましたが、Society5.0では、多様な違いを持ったままで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会になっていくことを目指しています。

みんなが自由に行動していても社会が成立するようになるようなテクノロジーが生まれてきており、ライフスタイル認証のような認証されていないようで裏では認証されているような個人認証技術の向上はこの分野に役立てられるようになるのではないでしょうか。







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