人工甘味料を摂取すると、体重増加や肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患のような病気になる可能性がある!?|研究

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■人工甘味料を摂取すると、体重増加や肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患のような病気になる可能性がある!?|研究

Sugar Dish

by Steve Snodgrass(画像:Creative Commons)

人工甘味料は減量に不向きの可能性、複数研究の見直しで指摘

(2015/7/25、Forbes)

これらの結果を分析したところ、より多くの人工甘味料の摂取と体重減少の関連性を確認することはできなかった。一方、長期にわたって行われた観察研究の結果では、人工甘味料の摂取と体重増加、肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患をはじめとするその他の健康上の問題との関連性が見られた。

カナダの医学誌「カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル(CMAJ)」に掲載された、過去に行われた37件の研究結果についてのメタ分析の結果をまとめた論文によれば、人工甘味料の摂取と体重減少の関連性を確認できなかっただけでなく、体重増加や肥満メタボリックシンドローム2型糖尿病、心臓疾患のような病気との関連性が見られたそうです。

【参考リンク】

これまでもいくつかの記事で人工甘味料と健康への問題について取り上げています。

ダイエット清涼飲料の飲みすぎの人は、胴囲の増加が飲まない人の6倍に|テキサス大学サンアントニオ健康科学センターで取り上げたテキサス大学サンアントニオ健康科学センターによれば、ダイエット清涼飲料を1日2本以上飲んでいる人は、飲まない人に比べて、内臓脂肪の指標であり、また糖尿病や心血管疾患、がんおよび他の慢性疾患の危険因子として広く使われている胴囲の増加が6倍になっているそうです。

人工甘味料入りのダイエット飲料を飲む人は脳卒中・認知症の発症リスクが約3倍高い!?|ボストン大学医学校で取り上げたボストン大学医学校の研究チームの調査結果によれば、人工甘味料を使った清涼飲料水を飲んでいた人は、脳卒中や認知症を発症するリスクが約3倍高いということがわかったそうです。




■【仮説】人工甘味料と体重増加や肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患のような病気との関連について

今回のニュースでは、いくつかの仮説が紹介されています。

■人工甘味料を摂取しても、エネルギーが摂取されていないため、脳が別のものからの栄養摂取を欲してしまう

その一つが、ミバエとマウスを対象に行った実験結果に基づくものだ。脳による「甘味の認識」と摂取エネルギー量の関連性が人工甘味料では保たれない点がその理由とされる。つまり、甘味を認識してもエネルギーが摂取されていないため、脳は別のものからの栄養摂取を欲してしまうということだ。

一つの仮説は、人工甘味料を摂取しても、エネルギーが摂取されていないため、脳が別のものからの栄養摂取を欲してしまうことにより、太りやすくなったり、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患のような病気になりやすくなるというものです。

【参考リンク】

■人工甘味料が腸内細菌のバランスを壊す

もう一つの仮説は、甘味料が腸内細菌の自然なバランスを壊し、それによって食べ物の代謝が強い影響を受けるというものだ。

【参考リンク】

人工甘味料で糖尿病リスク増!?|人工甘味料は腸内細菌のバランスを崩して、血糖値が下がりにくい状態にする作用がある!?では、イスラエルの研究チームによれば、サッカリンやスクラロース、アスパルテームなどの人工甘味料は腸内細菌のバランスを崩して、血糖値が下がりにくい状態にする作用があるという研究結果が発表されたことを紹介しました。

ダイエット清涼飲料の飲みすぎの人は、胴囲の増加が飲まない人の6倍にで紹介した記事によれば、アステルパームという人工甘味料が健康に対して何らかの影響を与えていると考えられていました。

  • 糖尿病の初期段階に起こりやすい膵臓(すいぞう)内の損傷に少なからず影響を与えている
  • 人工甘味料は食欲を促進させ、満足感を感知する脳の細胞に損傷を与える。
    砂糖のような自然の糖分の不足により、さらに甘いものへの欲求が増す。

これまで取り上げた仮説としては、人工甘味料には、糖尿病へのリスクを高める要因があると考えられるというものであり、人工甘味料が腸内細菌のバランスを崩すことによって、代謝異常を引き起こす可能性があるというものです。

肥満やメタボの第3の要因に腸内細菌叢が関係している?和食を食べて予防しよう!によれば、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こす第三の要因として腸内細菌叢が関係しているのではないかと考えられているそうです。

やせない原因は腸にあった!?やせ型腸内細菌と肥満型腸内細菌|腸サビ|#世界一受けたい授業によれば、腸内細菌の中に肥満型腸内細菌とやせ型腸内細菌がいることが分かってきたそうです。

肥満型腸内細菌とヤセ型腸内細菌は両方とも誰もが持っており、同じものを食べていても、肥満型腸内細菌が多い場合は、栄養の吸収をどんどん促進させて肥満になってしまうのだそうです。

ヤセ型腸内細菌を多く持っている人は太りにくい体質ということになります。

米ワシントン大学の研究によると、肥満型腸内細菌を与えたマウスとやせ型腸内細菌を与えたマウスを同じエサで育てた実験で、肥満型腸内細菌を与えたマウスは体脂肪が47%も増えたのに対し、やせ型腸内細菌を与えたマウスは27%しか増えなかったという結果になったそうです。

先ほどの研究とこうした情報を合わせると、人工甘味料によって腸内細菌のバランスが変わってしまうことによって、代謝異常を起こし、体重増加や肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患のような病気になりやすくなっているのではないかという仮説が立てられます。

■心理的な理由

その他には、意識・無意識にかかわらず、完全に心理的な理由が指摘されている。私たちはある方法でカロリー摂取量を制限すると、別の一つまたは複数の方法で、栄養を摂取しようとするというのだ。

この記事では心理的な理由により、カロリー摂取を制限すると栄養を摂取しようとするという仮説が挙げられていますが、別の仮説としては、人工甘味料をとると何らかのストレスがかかるということは考えられないでしょうか?

【ダイエットの新常識】有酸素運動よりもヨガ&マッサージがダイエットに効果的によれば、体はストレスにさらされると、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが分泌されてしまい、脂肪を貯めこんでしまうということが考えられるそうです。

また、ストレスがメタボと同様に糖代謝異常などの発病に関与することを解明|名古屋大学で紹介した名古屋大学の発表によれば、ストレスが、メタボリックシンドロームと同様に脂肪の炎症に関与し、糖代謝異常、血栓症を引き起こすメカニズムの一因となるそうです。

ストレスが交感神経やストレスホルモンの活性化によって内臓脂肪を分解し、血中遊離脂肪酸の増加を促進させて、内臓脂肪組織の炎症を惹起することがわかったそうです。

■まとめ

健康のために、砂糖の摂取量を減らして、人工甘味料を増やした人にとっては、こうした研究はとても残念な思いをするでしょうが、ただ、なぜ人工甘味料を摂取すると、体重増加や肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、心臓疾患のような病気との関連性が見られるのかについて研究することは非常に大事だと思いますので、頑張ってほしいですね。