中学の頃、テレビで米軍将校が戦場でボードゲームをしているCMが流れて目を引いた。
何しろ背景には派手な爆発が起こっているのに悠然とゲームをしているのだから。
しかも、どういう仕組みなのか盤上の戦車が動いて、地雷を踏むと吹っ飛ぶのだ。
なんて面白そうなゲームなんだろう!
それが1975年にエポック社が発売した”タンクコマンド”の第一印象だった。
”タンクコマンド”は、アメリカのIDEAL社が発売した”TANK COMMAND“をエポック社が日本で売り出したものである。
定価は2,650円だったが当時は手を出すことができなくて、実際に手にしたは後年にネットオークションを通じてだった。
いったいどういう仕掛けなんだろうとワクワクしながら箱を開けてみると…何コレ?
妙にデカい長方形のプラスチック版の脇に目盛りが描かれており、透明のプラスチックパーツに戦車をセットする。
各々の陣地には1から10までの数字に10本のピンをたてて、ゲーム開始後は「いっせーのせ」で開示。
数字の大きい方が勝ちで、自分と相手の数字を足した分だけ、目盛りに従って戦車を載せた透明プラ板を相手の方へ進める。相手からみれば自戦車を後退させるわけだ。
ある地点までくるとバネ仕掛けの地雷を起動できるようになっていて、相手の戦車がその場所まできたらスイッチ(紐を引っ張る)を入れて、戦車を吹っ飛ばすのだ。
やってることはかなり地味である。
テレビCMで刷り込まれた派手な演出はどこにもない。まぁ、バネで戦車が吹っ飛ぶところはちょっと面白いけれど。
そんなわけで手に入れたら速攻でオクラ入りとなっていたのだけれど、このゲームを見つけた息子にせがまれて遊んでみると、これはこれで意外と面白い。息子も気に入っているようだ。
期待のハードルが上がり過ぎていたということなのかもしれない。